【MLB】 ザック・ブリットンが引退 オリオールズで世代最強クローザーとして君臨、ヤンキースでも活躍

写真:現役を引退したザック・ブリットン

日本時間20日夜、2回のオールスター選出を誇るリリーバー、ザック・ブリットンが現役引退したことを『ジ・アスレチック』が伝えた。

ブリットンは2006年ドラフト3巡目でオリオールズに高卒で入団。2011年にメジャーデビューを飾ると、28先発でいきなり11勝を挙げる活躍を見せた。しかし、先発としては制球力に課題があり、2012・13年はその活躍を再現できなかった。

2014年からリリーフに転向すると、持ち味であるシンカーの球速がアップし、ブリットンは大開花。翌2015年には初めてオールスターに選ばれると、2016年にはリーグ最多の47セーブ、防御率0.54という異次元の成績を叩き出した。2年連続のオールスター選出はもちろんのこと、サイ・ヤング賞投票でも4位に入り、MVP投票でも票を獲得した。

ただ、ブリットンの無双劇はそう長くは続かなかった。キャリアの栄華を極めた2016年以降はブリットンは故障との戦いに多くの時間を費やした。2017年は上腕の張りの影響で成績が悪化、そのオフにはアキレス腱断裂の大怪我を負った。

大怪我の影響で出遅れた2018年はシーズン途中にヤンキースへとトレードになった。ヤンキースではセットアップとしての起用も多かったが、2019年と2020年には2年連続で防御率1点台シーズンを送るなど、第2の全盛期を謳歌した。

しかし、ブリットンは再び故障に襲われ、2021年にトミー・ジョン手術を受けることに。トミー・ジョン手術から復帰した2022年にもはや全盛期の面影はなく、結果的に1アウトも取れずに降板したオリオールズ戦が現役最終登板となった。

2023年は無所属で過ごした後、ブリットンは12年に及ぶキャリアに幕を閉じることを決断した。2022年には引退を考えていたといい、決断の理由には4人の子供ともっと時間を過ごしたいというのもあったという。

ブリットンは『ジ・アスレチック』のインタビューに対して、妻コートニーさんへの感謝をしきりに言及。小学生のときにブリットンと出会ったというコートニーさんは、ブリットンがマイナーリーガーだった時代、そしてメジャーでくすぶっていた時代を支えた。彼女は子供ができるまで仕事を続け、ブリットンのキャリアが軌道に乗ると、自身のキャリアを諦めてサポートに徹したという。

ブリットンは妻の尽力に感謝し「5回人生があっても彼女に恩返しできない」と語った。

© 株式会社SPOTV JAPAN