
マレーシアサッカー協会の規律委員会は11月20日、国内リーグのセランゴールに所属していたヨルダン代表CBのヤザン・アルアラブを、マレーシアサッカー界から永久追放すると発表した。現地紙『The Star』が報じた。
事の発端は、9月24日に行なわれた国内カップ準々決勝の第2戦、1ー1のドローに終わったトレンガヌ戦だった。2試合合計1ー3で敗戦が決まった試合終了後、判定に不満を持ったアルアラブは主審に詰め寄ると、強引に振り向かせて右手で胸を突く。これでレッドカードを受けたアルアラブはさらに激高し、左足で主審を蹴ってさらに唾を吐きかけたのだ。
試合後、クラブは公式SNSで「試合におけるスポーツマンシップの重要性を改めて表明する」と声明を発表。個人名こそ出さなかったが、アルアラブの件を指しているのは明らかだった。
そのアルアラブはSNSで「私の気持ちを言葉で言い表すことはできません。チームの皆さん、ファンの皆さん、申し訳ございませんでした。これを教訓に、より良くなるために取り組んでいきます。実は私のいとこが数週間前に亡くなったばかりで、心理的なプレッシャーがありました。ただ、それが私の行為を正当化できる理由でないことは理解しています」と謝罪した。
それでもクラブは、双方の合意をもってアルアラブとの契約を解除。「アルアラブがセランゴールでプレーした2シーズンの間、チームに貢献してくれたことに感謝の意を表したい。彼の今後の活躍を祈っている」と声明を出していた。
一方でマレーシアサッカー協会の規律委員会は、この一件について調査を続けていた。アルアラブはすでに退団しているものの、11月20日に最終処分を発表。「この選手に課される罰は、マレーシアにおけるサッカーの管理、運営、スポーツ活動および関連活動を含む、いかなるサッカー活動への関与も生涯停止とする」と、マレーシアサッカー界からの永久追放を言い渡した。
アルアラブは現在、所属クラブがないフリーの状況だ。それでもヨルダン代表の一員として活動している。11月16日に行なわれたW杯アジア2次予選のタジキスタン戦には出場しなかったが、近年はCBの中心選手としてプレーしている。
構成●THE DIGEST編集部
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