中山美穂 24年ぶりの全国ツアー!ヒット曲満載で行われたファン歓喜の河口湖ライブ!  2023年現在の中山美穂の魅力が凝縮されたステージがBlu-rayでリリース!

2023年現在の中山美穂の魅力が凝縮されたステージ

中山美穂デビュー38周年のアニバーサリー・ツアー『Miho Nakayama 38th Anniversary Concert -Trois-』の一環として行われた2023年6月24日山梨県の河口湖ステラシアターにおけるライブのBlu-rayが11月22日にリリースされる。

今回のツアーは1999年以来24年ぶりだという。アイドル時代からのヒット曲を中心に、90年代にシンガーとしての揺るぎない地位を確立した実力を経由した2023年現在の中山美穂の魅力が凝縮されたステージが収録されている。

オープニングで、フランス人形のようなゴージャスなドレスで登場した中山は、観客に笑顔を振りまきながら、極めて自然体でステージの中央に現れる。1曲目は、94年にセルフプロデュースでリリースした16枚目のアルバム『Pure White』に収録された「Title」だった。

94年の中山と言えば、前年に長期充電期間を取った後、自身単独として初のミリオンヒットを記録した「ただ泣きたくなるの」をリリースした年でもある。つまり、音楽とより真剣に向き合いながらトップシンガーとしての結果を出した年の楽曲だ。シングルを大ヒットさせるのと同時に腰を据えてアルバム制作に着手できた時期でもある。その中でファンにも人気が高いこのアルバム収録曲をオープニングに持ってくるということは、長いキャリアを持つ彼女のシンガーとしての内面をファンに感じ取ってもらおうという意味合いも強かったと思う。

シティポップを経由したフュージョン的なエッセンスを感じられるこのミディアムナンバーを情感豊かに歌い上げる中山には、女優としてのキャリアに裏打ちされた表現力も垣間見ることができる。河口湖というリゾート地にふさわしい洒脱なオープニングだ。

アイドル時代の初々しい表情が今も見え隠れする「派手!!!」

ここから、1987年のヒット曲「派手!!!」に続く。曲の途中に客席から親衛隊コールも聞こえ、一瞬アイドル時代の中山がフィードバックする。これがすごく不思議で、38年というキャリアを持ちながら、アイドル時代の初々しい表情が今も見え隠れする。そしてこれは決してノスタルジーではなく、今もキャリアの起点であるアイドル時代の煌めきを内包して輝き続けていることを証明しているかのようだ。

前半の「色・ホワイトブレンド」では曲の途中にスパンコールが煌めく白のパンツスーツに着替え、春の陽射しのような優しいメロディーの中で、物語の主人公のようにいくつもの表情を見せる。魅せて聴かせて楽しませるというエンタテインメントの究極とも言えるステージが続く。

そして「人魚姫 mermaid」は、オリジナルのデジタル・ファンク的なアプローチとは異なる生音の響きを大切にしたアレンジに注目したい。バンドのグルーヴに寄り添い、ステージに用意された巨大プロジェクターに映し出された紺碧の海を優雅に泳ぐように歌い上げる。その姿を見ると中山はつくづくライブアーティストでもあるなと思えてならない。

アコースティックギターの音色に誘われ語りかけるように歌う「君のこと」

MCに注目してみると「森の音楽隊みたいなこういう雰囲気、良いと思う」と話していたが、この言葉の真意もしっかりとサウンドに表れていた。バッキングの緩やかなグルーヴはこの河口湖というリゾート地にふさわしいナチュラルなものだ。アコースティックギターの弦が奏でる素朴な音色に誘われ語りかけるように歌う「君のこと」では、静粛の中で中山の声が深い森に染み込んでいくようだ。

そしてジャジーなサックスの音色が響き渡り、「You're My Only Shinin' Star」へと続く。角松敏生がソングライティングを担った名バラードだ。しっとりと艶のある歌声が満天の星空のように会場を包む。この臨場感も十分に堪能できる。

ミニのドレスにファーを纏い歌うダンサブルなナンバー「Spiritual Kisses」は、キュートな一面も。とにかく観客を飽きさせないセットリストだ。そして、「世界中の誰よりきっと」、「ただ泣きたくなるの」と90年代のヒット曲で聴かせることに徹しながらも、アンコールでは「WAKU WAKUさせて」、「ツイてるねノッてるね」といったユーロビート風味のナンバーで思いっきり弾ける。まさに完全燃焼の中山美穂だ。

ファンに向けての思いが詰まった「Treasure」

ラストナンバーは、「Treasure」で幕を閉じた。この曲のリリックにある「あなたがいるから 始まるすべて ほんとうのTreasure……」というのはまさしく中山とファンとの関係性ではないかと思えてならない。デビュー38年、ファンと共に歩み、このエンタテインメント性に満ち溢れ、シンガーとしての力量を存分に発揮できたこのステージにたどり着いた中山からファンに向けての思いが詰まっている。

デビューから38年、アイドルをキャリアの起点とした中山がどのように音楽と向き合ってきたかという回答がこのステージから垣間見られた。もちろんエンタテインメントとしても最高のステージだが、2023年現在の中山のシンガーとしての集大成をここで感じ取ることができるだろう。

▶ 2024年4月より、19都市21公演をまわる全国ツアー「Miho Nakayama Concert Tour 2024 -Deux-」開催決定!
https://nakayamamiho.com/contents/684914

▶歌手デビュー38周年記念ライブMiho Nakayama 38th Anniversary Concert -Trois-https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t14008/

カタリベ: 本田隆

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