「中南米ガストロノミー」を五島・福江島のシーフロントホテルのダイニングで

教会をモチーフにしたダイニングで中南米ガストロノミーというオンリーワン体験を

今、世界で最も注目されている南米ガストロノミー。そのエッセンスを五島の食材で表現している『ホテル カラリト五島列島』は、離島という枠ではなく、日本全体で見ても極めて貴重なレストラン。ホテルダイニングらしい大きな窓の向こうには、ライトブルーの海が輝いていて、都会では得ることのできないフードエクスペリエンスも堪能できるんです。

シェフの宮内氏はメキシコのストリート(家庭料理)で料理に覚醒し、宮古島のガストロノミー『エタデスプリ』で昇華させ、この五島列島で中南米イノベーティブという自身の世界観を確立させたとのこと。ラテンな料理ゆえ、美味しいのは当然としてワクワク度が高いのも魅力。

たとえば、5kgの「スジアラ」。5日間熟成させた魚料理は、メキシカンのソース“モレ”が主役。「スジアラ」って、沖縄の三大高級魚アカジンミーバイのことなので、シェフのルーツを辿ったような一皿でたかぶります。

この「スジアラ」は、エイジングさせたものに軽く衣つけて焼かれていて、シンプルだけどソースに負けない力強さがあり、さらにプリっとしたテクスチャからの、後半で身のほどけていく感じが実に心地いいんです。

「真蛸の炭焼き」は、島のおみやげとしても大人気の「さとうの塩」が使われていて、ライムとタヒンの皮パウダーがアクセントに。生落花生をローストしたピュレや、長崎の食文化でもある「ぬた」のサルサを合わせることで、島の鮨屋や居酒屋とは異なる五島の魅力を見せてくれました。

メインの肉料理は「五島のジビエ 鹿」。ランプとヒレの2種類のセッションで、スパイスのソースがよく似合う。緑のソースは、万願寺唐辛子とピーマン、ミント、ハーブの個性が垣間見られる。一方、オレンジのソースは、島のフルーツトマト、宮古島のマンゴーが使われていて、シェフのルーツが感じられる一皿に。

ちなみに、この料理に使われていた塩が、これまた五島産の「麗の塩」というもので、塩づくりにあたっては五島の海の味を何年も歩き回って確認し、最も適した場所を探したんだとか。小さな離島ではありながら、こだわり抜く職人気質な人が多いのも、五島列島の魅力をつくっている重要な要因なんだと思います。

こんな五島列島尾魅力を表現したコースが7品で7,700円。ぜひ、明るいうちからディナーを愉しんでいただきたいですね。

五島列島というと、魚というイメージで、それはそれで正しい捉え方ではあるんですが、こうしたこだわり尽くした塩だったり、クラフトジンだったり、神経締めを丁寧に施す漁師さんがいたり、鹿や猪などのジビエも質が高かったり、海の前にブーランジェリーがあったりと、豊かな日々を過ごすためのコンテンツが溢れているんです。移住者が多いというのも、納得ですね。

ホテル カラリト五島列島 公式HP

ホテル カラリト五島列島 instagram

ホテル カラリト五島列島

〒853-0026 長崎県五島市浜町

*取材・文・撮影:kyah

*この記事は2023年10月時点の情報を基に作成しています。

*新型コロナウイルス感染症の影響で、営業状況や掲載内容に変更が生じる場合があります。最新の情報は、事前に各店舗・施設の公式情報をご確認ください。

*「ニッポンごはん旅」は、新型コロナウイルス終息後の旅行先として検討いただきたいという想いで各地の情報を発信しています。

ライター:ニッポンごはん旅編集部

© 株式会社ロコガイド