KYOJO CUPドライバーを中心に『全日本女性自動車競技選手会』が発足。女性選手のさらなる地位向上を目指す

 11月20日、KYOJO CUPを運営するインタープロトモータースポーツは、KYOJO CUPに参戦するドライバーたちが中心となる団体『全日本女性自動車競技選手会(Female Motorsports Association of Japan)』(以下FMAJ)が発足されたと発表した。

 今回新たに創設されたFMAJは、日本のモータースポーツにかかわるすべての女性レーシングドライバーのための選手会としてKYOJO CUPに参戦するドライバーが中心となって発足された組織である。

 KYOJO CUPは、“女性レーサーが身体能力のハンデを感じることなく平等なフィールドでモータースポーツを極めていくことができる環境作り”を理念として2017年に始まった、日本初となる女性ドライバー限定のプロレースシリーズだ。

 2020年からはスポーツ庁がシリーズを後援しており、2023年で7シーズン目を迎えるなかで、参戦する女性ドライバー達は、プロのレーシングドライバーとしての意識や技術の成長を遂げてきた。

 そのKYOJO CUPで争うドライバーたちが主軸となって発足されたFMAJは、『女性ドライバー達が、冷静に物事を見つめ、課題を見つけ、公に物事を提示していけるよう、選手側からの意見を吸い上げることができる組織が必要』との想いに端を発して創設に至ったとのことだ。

 今回FMAJの発足を発表するリリースにはその理由として、7年間のKYOJO CUPの活動のなかで、「日本のモータースポーツ界において社会参画の機会としてのモータースポーツの在り方や、モータースポーツ界の中で直面するジェンダーの課題などが見えてくるようになりました。日本のモータースポーツ界は、今一度、自分たち業界のコンプライアンスを見つめなおし、時代に合った価値観で自動車競技に取り組む全てのドライバー達を守り育てていくことが必要なのではないかと考えます」とある。

 構成メンバーについては『日本のモータースポ―ツ競技に参戦する女性ドライバー』でその参加形態も『任意』とされており、参戦するカテゴリーを問わず、あらゆるシリーズに参戦する女性ドライバーにその間口が開かれている。

 今後、女性ドライバーたちがプロのアスリートとしてさらに活躍することができる環境を目指して各種活動が実施されるとのことで、FMAJの活動についてはさらなる続報を待ちたいところだ。11月26日には、静岡県の富士スピードウェイで2023年シーズンの最終戦を控えるKYOJO CUP。今季2勝を挙げているランキングトップの三浦愛と、ランキング2位で2022年にはタイトルも獲得している翁長実希のチャンピオン争いにも注目だ。

■全日本女性自動車競技選手会(Female Motorsports Association of Japan)概要

名称:全日本女性自動車競技選手会(Female Motorsports Association of Japan)
所在地:株式会社インタープロトモータースポーツ内 〒412-0023 静岡県御殿場市深沢 313-12
構成メンバー:日本のモータースポ―ツ競技に参戦する女性ドライバー(カテゴリー問わず)
参加形態:任意
選手会運営役員:翁長実希、斎藤愛未、猪爪杏奈、平川真子
選手会顧問弁護士:坂田絵里子
選手会活動理念:自動車競技文化の普及及び振興に寄与するとともに、女性ドライバーの社会的、経済的地位の向上を目的とする。

活動内容
1:各選手の活動をより良いものとするための交流、親睦機会の創出
2:女性選手相互での情報や経験、問題点の共有
3:女性選手を取り巻く環境の改善
4:女性選手の意識改革
5:ファンコミュニケーションの適正化
6:SNSコミュニケーションの適正化
7:女性選手の活動環境向上のための各種活動の実施

2023年KYOJO CUP第2戦富士 三浦愛、翁長実希、平川真子による首位争い

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