知人が突然心肺停止、人工呼吸と心臓マッサージで命救う 宍粟の男性「考えるより先に体動いた」

心肺停止した男性を心臓マッサージなどで救った内田一行さん=たつの市揖保川町正條、西はりま消防本部

 突然心肺が停止した、知人の60代男性に心臓マッサージや人工呼吸を続けて命を救ったとして、西はりま消防本部は、宍粟市山崎町与位のクライミングインストラクター内田一行(いっこう)さん(39)に消防長感謝状を贈った。

 同本部などによると8月16日午前、男性と内田さんが一緒に約30分間のランニングなどを終えた際、内田さんの自宅近くで男性が失神したように倒れた。呼びかけに応じなかったため、内田さんは近隣住民に119番を依頼し、心臓マッサージと人工呼吸を始めた。

 「考えるよりも先に体が動いた」と、救急車が到着するまでの約15分間、心肺蘇生を休むことなく継続。インストラクターの講習などで心肺蘇生法を学んだ経験が生きたという。

 男性は救急隊到着後、電気ショックで心拍が戻り、ドクターヘリで搬送中に意識を取り戻した。約2週間の入院で済み、今は元気に過ごしているという。同本部の担当者も「内田さんの心臓マッサージや人工呼吸がなければ救えていなかった」と話す。

 内田さんは「退院した男性の元気な姿を見て、命を助けられて本当に良かったと思った」とほっとした表情で話した。(村上晃宏)

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