上白石萌音がナレーションを務めるHTB初のドキュメンタリー映画ポスタービジュアルが解禁! コメントも到着

HTB北海道テレビが初めて制作した開局55周年記念ドキュメンタリー映画「奇跡の子 夢野に舞う」のポスタービジュアルと予告編が解禁。ナレーションを担当した上白石萌音からコメントも届いた。

映画は、2020年6月にローカル地上波で放送され、各界で高評価を受けたドキュメンタリー番組「HTBノンフィクション たづ鳴きの里 ~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~」に、追加取材と撮影を行って完成させたもの。

舞台は、北海道・札幌近郊の長沼町。明治期の乱獲などで姿を消してしまったタンチョウを再び町に呼び戻そうと、夢に向かって奮闘する14人の農民たちの姿を伝える。取材は2015年から始まり、住民の活動や長沼町の美しい田園風景と自然の営み、そしてタンチョウが町に飛来し、ヒナを誕生させるまでに至った道のりが記録されている。

「HTBノンフィクション たづ鳴きの里 ~タンチョウを呼ぶ農民たちの1500日~」は、科学技術映像祭の最高賞となる「内閣総理大臣賞」、グリーイメージ国際環境映像祭の「グリーンイメージ賞」などを受賞した。これを機に、同局では追加取材を実施。足掛け7年におよぶ長期取材で記録した膨大な量の映像を紡いで完成させたのが、ドキュメンタリー映画「奇跡の子 夢野に舞う」だ。

HTB北海道テレビがドキュメンタリー映画を制作するのは開局以来、初めてのこと。24年1月20日から北海道・札幌のシアターキノなどで公開するほか、道内の一部(シネマ太陽帯広、函館)では、1月19日に先行公開を予定している。北海道の農民が起こした“奇跡の実話”に、注目が集まりそうだ。

【上白石萌音 コメント】

このたび、北海道の長沼町を舞台にしたドキュメンタリー映画『奇跡の子 夢野に舞う』のナレーションを担当しました。この作品は過疎化に悩む農家の皆さんが、子どもたちに誇りあるふるさとを残すために100年以上も前にいなくなったタンチョウを町に呼び戻そうと奮闘し、ついに実現するという奇跡の物語です。北海道の大自然もさることながら、人と動物が土地を分け合うというのはどういうことなのか? すごくリアルに描かれていて、私自身も、とても勉強になりました

【沼田博光監督 コメント】

フランスの制作プロデューサーから、日本人の象徴であるタンチョウの取材をしたいと打診があり、リサーチを進める中でタンチョウ研究の第一人者、正富宏之さんと出会いました。そして「長沼町で世界初のプロジェクトが始まる」という情報を得ます。人工的に造られた遊水地の中に湿地をつくり、そこでタンチョウの繁殖を目指すというものでした。

長沼町はタンチョウの生息地から遠く離れており、しかも人口200万人近い大都市・札幌のすぐ近郊で、私自身「来るはずもない」と思いながら、それでも、どんな人たちが、どうやって呼ぶのだろうと関心を持ちました。手厚く保護されているタンチョウについて、フランスの制作チームが求める取材環境はとても用意できなかったので、早々に断った上で、私の長沼通いが始まりました。

休みや業務の合間に役場や農家さんを訪ねて、最初の頃は会議や立ち話の雑談ばかり。そのうち、タンチョウが本当に姿を見せるようになります。最初に2羽が私の前を飛んだ時の光景は忘れられません。農家さんと一緒に感動を分かち合いました。取材が7年も続いたのは、タンチョウの魅力や長沼の美しい田園風景がありましたが、何より、タンチョウを呼び戻そうと活動する農家さんたちの人柄とひたむきな思いがあったからだと思います。

しばらく長沼町に通って、親しく話しかけてくれるようになった頃、「しかし鳥嫌いだった俺たちが、まさかタンチョウ呼ぼうと言い出すなんてな」と皆さん笑いながら話をしているのを聞いて、「えっ? どういうことですか」と聞き返しました。そして、水害に泣き、国の政策に翻弄(ほんろう)され、自然保護の団体などと対立してきた過去とその理由を知った時、映画制作を決意しました。

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