大谷はどんな契約を得るのか 2度目の右ひじ手術で増す不確実性

今オフの移籍市場における最大の注目株である大谷翔平。歴史的な大型契約を結ぶことは間違いないとされているが、2018年のトミー・ジョン手術に続いて2度目の右ひじの手術を受けたことが状況を複雑にしている。以前のような投手に戻れる保証はなく、いつまで投手を続けられるか、いつまで二刀流選手としてプレーできるかわからないからだ。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は、球団幹部数人の声も交えながら、大谷の契約について考察している。

ローゼンタール記者の取材に応じた球団幹部たちは、大谷が2025年以降に二刀流でのプレーを再開することを確信している一方で、「彼は根本的には打者だと思う。いつまで投げたいのか、いつまでいい投手でいられるかはわからない」や「いつまで彼のことを二刀流選手として計算すればいいのか難しい。投手としての持続力はどれくらいあるのだろう」といったように、投手としての将来の不確実性に言及している。仮に10年契約を結ぶとして、1年目は打者専任となることがほぼ確定しているが、残り9年について二刀流選手としてのサラリーを保証したくないというのが本音だろう。

ある球団幹部は「長期契約を結んだ投手が契約期間中、年俸に見合う活躍を続けられる可能性はゼロに近い」と語る。マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグ、デービッド・プライスはいずれも総額2億ドルを超える7年契約を結んだが、契約に見合う働きができたのはシャーザーだけだった。ヤンキースのゲリット・コールは9年契約の4年目を終え、ここまでは期待通りの働きを見せているが、残り5年がどうなるかはわからない。しかも、彼らのなかに2度の大規模なひじの手術を受けた投手は1人もいない。それだけに「投手・大谷」には厳しい目が注がれている。

よって、大谷の契約には健康状態や投手としての成績に応じた出来高が盛り込まれる可能性が高い。ローゼンタール記者は「まず4億5000万ドルを保証。これはマイク・トラウトの歴代最高額を上回る契約だ。さらに1億5000万ドルの出来高を設定。すべての条件をクリアすれば総額6億ドルだ」という案を提示し、「投手・大谷」に1億5000万ドルの出来高を与えられるチームが獲得に成功するのではないかとの見解を示した。

球団幹部の話を聞いたローゼンタール記者が大谷に5億ドル以上を保証することに慎重な姿勢を示す一方で、大谷が5億ドルを超える大型契約を手にすることを予想するメディアは少なくない。ローゼンタール記者の同僚であるジム・ボーデン記者は4億7700万ドルとやや控えめな予想だが、移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」は5億2800万ドル、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者は6億ドルと予想。果たして、大谷は最終的にどんな契約を得ることになるのだろうか。

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