”シャフトリーン”作れてる?/ザンダー・シャウフェレLESSON「僕のコントロールショット教えます」前編

ZOZOチャンピオンシップ後、都内観光を楽しんだシャウフェレ(撮影/服部謙二郎)

ザンダー・シャウフェレの強みって何だと思う?ドライバー?ショートゲーム?もちろんそれらもいけど、彼の一番のストロングポイントはグリーンを狙う「コントロールショット」なのだ。2022-23シーズンのストロークゲインドアプローチザグリーン(2打目のスコア貢献度)のスタッツは3位、中でも150-175ydの同スタッツは堂々1位だった。ミドルアイアンからショートアイアンにかけてのまさにスコアメークに直結するコントロールショット。その打ち方のコツを特別にレッスンしてくれた。(前編、取材・構成/服部謙二郎)

距離のコントロールはシャフトの傾き(シャフトリーン)で作る

―PGAツアーのスタッツを見ても、150-175ydのコントロールが抜群ですが、その秘訣を教えてもらえますか。

特に変わったことをしているわけじゃないんですけどね。そのくらいの距離だと、9番とか8番アイアンを使いますが、たとえば、8番アイアンで150ydを打つなら、トップの大きさは少し小さくなります。170ydならほぼフルショットの大きさ。大事なのは、トップを小さくしたらフィニッシュの位置も同じくらいコンパクトにして、左右対称のスイングをするということですね。

距離を抑えて打つ時は左右対称に(撮影/服部謙二郎)

―スイング全体の大きさで、飛距離も調節しているということですか?

飛距離のコントロールということで言うと、シャフトリーンを一定にすることがいちばん重要です(“shaft-lean”は「シャフトの傾き」という意味。つまり、ハンドファーストの度合いということ)。同じ番手で毎回同じ距離を打つには、インパクトロフトを一定にする必要がありますよね? そのためには、インパクトの時のシャフトの傾きがバラバラになったらダメなんです。

「ハンドファースト=シャフトの傾き」が一定になるようにインパクトしたい(撮影/服部謙二郎)

――シャフトの傾きを一定にするために、何か気をつけていることはありますか?

グリップエンドの向きをひとつの目安にしています。シャツの左胸のところに大抵メーカーのロゴが入っていますが、そのロゴのあたりをグリップエンドが指しているかどうか、ということですね。アドレスでまず向きをチェックして、インパクトのときに大体同じところに戻ってくればOKという感じです。

左胸のロゴあたりを意識してアドレスしよう(撮影/服部謙二郎)

――グリップエンドの向きが狂うと、飛距離も変わってしまうと。

飛距離だけじゃなく、方向も狂ってしまうんです。たとえば、アドレスでグリップエンドが、シャツのロゴよりももっと内側(胸の真ん中付近)を指している状態からスタートして、インパクトで正しい向きに戻そうとすると、どうしても普段より手元を強く目標方向に出そうとしてしまいますよね? そうすると、フェースが開いて目標より右を向いてしまう。逆にインパクトで、グリップエンドがロゴより内側を指す形になると、フェースはかぶります。

アドレスでグリップエンドが真上を向くと(写真左)、インパクトでハンドファーストが強くなりやすい。結果、フェースは開く(写真右)(撮影/服部謙二郎)

――だから、シャフトの傾きを一定にすることが大事だと。ロフトとフェースの向きの両方を、シャフトの傾きでコントロールしているわけですね。

もうひとつ、同じ位置で打つということも大事です。ボクの場合は、テークバックで右に動きすぎてしまう傾向があって、そうなるとダウンスイングでスウェイバック(揺り戻し)が起きてしまう。体が左右に揺れる幅が大きくなるほど、インパクトのポジションは狂いやすいですよね? なので、意識としてはスタートからフィニッシュまでその場でくるっと回る感じで、いつも同じところにクラブが戻ってくるように気をつけています。

テークバックで右に動きすぎると(写真左)、インパクトに向かってスウェイしやすい(写真右)(撮影/服部謙二郎)

――スイング軸をセンターに保つということですね。

それと、背骨の傾きですね。下半身を安定させて、その上に上体がきちんと収まると、スムーズにテークバックできますから。アドレスのときに左股関節のところを押さえるのがボクのクセなんですけど、「あの動作の意味は何?」って、よく聞かれるんです。あれは、ちゃんと股関節から前傾して、上体の角度が整っているかどうかの確認なんですよ。

LESSONの続きは後編「Lを作ろう」へ…

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