埼玉文学賞、正・準賞6人の受賞を祝う さいたまで授賞式、埼玉りそな銀社長や知事ら出席「AI話題でも、心動かすのが人の文学」

前列左から小説部門正賞の佐久耕二さん、短歌部門正賞の大渕まこさん。後列左から詩部門準賞の小野ちとせさん、那須野明さん、俳句部門準賞の山﨑加津子さん、吉田孝子さん=さいたま市中央区のザ・マークグランドホテル

 埼玉新聞社が創設し、埼玉りそな銀行が特別協賛する「彩の国 埼玉りそな銀行 第54回埼玉文学賞」の授賞式が20日、さいたま市中央区のザ・マークグランドホテルで開かれ、小説・詩・短歌・俳句の4部門の正・準賞の受賞者6人を祝った。大野元裕知事や埼玉りそな銀行の福岡聡社長らが出席した。

 正賞は小説部門で佐久耕二さん(65)=筆名・吉川市=の「トリ屋のおじさんとの約束」、短歌部門は大渕まこさん(33)=筆名、熊谷市=の「夏の庭先に出て」。準賞は詩部門で小野ちとせさん(70)=筆名、川越市=の「蜂蜜」と那須野明さん(75)=滑川町=の「階段」、俳句部門で山﨑加津子さん(76)=狭山市=の「空飛ぶくるま」と吉田孝子さん(55)=さいたま市西区=の「ラ・フランス」。

 大野知事は祝辞で「(生成人工知能=AI=が話題になっているが)人の心を動かし温かくするのが文学であり人の力。引き続き、人の気持ちを動かす文学賞であってほしい」と話した。

 受賞者代表として謝辞を述べた佐久さんは自分の父母の名前から筆名を取ったことを紹介し「(今年で100歳になる母に)たいした親孝行をしているわけではないが、このことを報告できるかなと喜んでいる」と話した。

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