性的少数者の半数、被害相談せず 暴力や脅迫で1万人調査

 身体的な暴力や性暴力、脅迫といった被害を受けたことのある、LGBTQなど性的少数者のうち約53%が誰にも相談していないことが21日、宝塚大の日高庸晴教授(社会疫学)の調査で分かった。性的指向や性自認を明かして被害を届けるのはハードルが高い上、相談先が分からない人も多いといい、日高教授は「安心して相談できる支援体制の整備と周知が必要だ」としている。

 調査はライフネット生命保険の委託を受け、昨年12月~今年4月にネット上で実施。ゲイやレズビアンら10~90代の1万449人が答えた。

 暴力被害に関する複数の選択肢を挙げ、経験の有無を尋ねると3686人(35.3%)が「いずれかある」と回答。女性を自認するトランスジェンダーでは66.2%が被害を経験していた。

 被害に遭った人に相談の有無を複数回答で尋ねると「誰にも相談していない」が52.8%を占めた。「友人・家族などに相談した」が33.6%、「警察に相談した」が13.0%と続き、民間団体や弁護士、医療機関への相談は各数%だった。

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