視覚障害者のホームなどからの転落防ぐシステムの効果を実験で確認/岡山大学のグループ開発【岡山】

目の不自由な人が駅のホームなどから転落するのを防ぐシステムを岡山大学の研究グループが開発し11月21日、JR岡山駅で実証実験を行いました。
システムは岡山大学の岡安光博教授らのグループが開発したもので、2つのシステムで構成されています。
一つは、磁界を発生させるコイルマットを駅のホームの端などに設置し、磁気に反応するタグを持った視覚障害者が近づくと、音声や光で危険を知らせるものです。
もう一つは、障害者が持つ白杖に取り付けたレーザーセンサーで床からの距離を測り、その距離が大きくなると杖が振動するものです。
この2つのシステムを組み合わせることで、より高い効果が得られるということです。
この日、JR岡山駅の在来線のホームや階段の手前にこのシステムを設置し、視覚障害者4人が列車通過時の音量のチェックや、システムが期待通りに動作するかを、入念に確かめました。
参加した視覚障害者は「音が鳴ったり、振動したりしていたので、落下を防止するという目的ではすごく有効だなと感じました」と話していました。
視覚障害者の駅のホームからの転落事故は近年、減少傾向にあるものの、その割合は全人口に占める視覚障害者の割合に比べて10倍ほど高く、茶屋町駅でも10月、1件の転落事故が起きています。
研究グループは今後、実用化に向けてJR西日本や岡山県内の企業と協力して取り組んでいくことにしています。

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