高騰続きの葉物野菜…気候とともに値段も落ち着き傾向 生産者や飲食店から喜びの声も(静岡県)

残暑の影響で高値が続いていた葉物野菜ですが、気候が落ち着いて生育が順調になった一方で、暖かい日も続き、鍋物野菜の需要が高まっていないことから値段が落ち着いてきています。生産者や飲食店からも喜びの声が上がっています。

11月、静岡・磐田市で行われた「キャベツ狩り選手権」。地元産のキャベツの消費拡大などを目的に行われたこのイベントには、100人以上が参加し、家族連れなどでにぎわいました。

(参加者)

「ちょっとずつ葉物野菜も安くなってきて、若干安くなった感じ」

イベントの担当者は…

(JA遠州中央 キャベツ部会 鈴木 正裕 副部会長)

「11月後半は非常に暖かい日が続き、雨もあって生育も戻ってきて、これからは潤沢な出荷量になっていくと思う。少し前まではスーパーでは買いづらい。お手頃な価格になりキャベツをたくさん食べてもらえる価格になった」

一方、焼津市にある三和農園ではいま、白菜の収穫ピークを迎えています。

(三和農園 河村 亮 さん)

「すごく重量感があって、身も締まっていて、ことしの出来はすごくいいと思います」

河村さんが栽培しているのは、中がオレンジ色で甘さが強い品種「オレンジクイン」 2023年は、夏の暑さや雨が少ないことで収穫に影響がでることが心配されましたが、ここ最近の気温低下もあり美味しく仕上がったといいます。10月に暖かい日が続いたことから、例年より2週間ほど早く収穫時期を迎えているということです。

飲食店からも喜びの声が。静岡市駿河区の元力士が営むこちらのちゃんこ鍋店では。

(旬菜大食坊ごっちゃぁん 山中 与志久 店主)

「ことしは猛暑だったので異常に高くなって、そのまま高値安定だった。今は安定してきて普通に買えるようになった。野菜を減らすことはできないので、長い間我慢していた感じはある」

ちゃんこ鍋には欠かせない白菜の高値が続き、一時は4分の1サイズを購入することもあったといいますが、ようやく値段が落ち着き仕入れも安定したといいます。さらに、冬に旬を迎える葉物野菜は美味しさも増しているそうです。

(旬菜大食坊ごっちゃぁん 山中 与志久 店主)

「夏の白菜はふんわりして身の締まりがよくなかったが、冬の白菜になって重たいので、身も締まっていい白菜だと思う。ちゃんこ鍋はバランスもいい鍋。お肉とお野菜をいっぱい食べて健康になってもらいたい」

(スタジオ解説)

値下がりが続く「葉物野菜」についてまとめました。

スーパー田子重西中原店によりますと、1か月前と比べ「ハクサイ」「ホウレンソウ」「ミズナ」や「レタス」などの葉物野菜が安くなっているということです。とくに「ハクサイ」は例年以上に安くなっているということです。キャベツは2週間前に200円を超え、一時値上がりましたが、再び値下がり、10月と同じ価格に戻ったということです。

葉物野菜がいま安くなっている理由について、供給が安定してきたことをお伝えしましたが、静岡市中央卸売市場を運営する静岡VFの原さんは、加えて次の要因を上げます。そもそも野菜の価格は消費者の需要の影響を大きく受けるということで、ここ最近は、朝晩の冷え込みはあったものの、日中は暖かい日が続き、鍋物野菜の需要があまり高くなかったことが値下がりの大きな要因だということです。原さんによると、葉物野菜の値下がりはもうしばらく続くのではないかということで、ピークは12月上旬あたりではないかということです。

© 株式会社静岡第一テレビ