「否定された主張を蒸し返さずに確定した高裁判決を受け入れて」と弁護士 「黒い雨」訴訟報告集会で 3回目の追加提訴で原告は38人に

原爆投下直後に降った「黒い雨」をめぐって、国の新基準でも被爆者手帳の申請を却下された人たちが処分の取り消しを求めた裁判で、3回目の追加提訴がありました。

新たに訴えを起こしたのは、広島市在住の80歳の男性です。男性は、当時2歳で、現在の安芸太田町戸河内で雨に遭ったということですが、被爆者健康手帳の申請は「黒い雨の降雨地域と確認できない」などとして却下されました。これで、追加提訴の原告は合わせて38人になりました。

21日はこれまでの原告の第2回口頭弁論も行われました。弁護団によりますと、「被告である県や市は、2021年の広島高裁判決で否定された主張を蒸し返している」として、これまでの裁判で解決された問題は、それを前提として審理されるべきだと訴えています。

国の新しい基準に基づいた審査が始まってから、今年10月末時点では、申請された5674件のうち、253件が却下されています。弁護団は23日にも、相談会を開くなどして引き続き原告を募り、追加提訴する方針です。
【黒い雨に遭った方を対象とする相談会】
11月23日(木・祝)午前10時~正午 さいき文化センター(廿日市市津田)
午後02時~04時 広島弁護士会館(広島市中区上八丁堀)

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