自民党・加藤勝信衆院議員が語る菅義偉長官の後任のプレッシャーとは?官房長官から見た菅内閣の実績とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年11月18日に公開された動画ではゲストに自由民主党衆院議員の加藤勝信氏をお招きし、時事ネタや官房長官時代の苦労、小選挙区の区割りについて語っていただきました。

菅前総理のここがすごい!菅内閣最大の実績はどれ?

【このトピックのポイント】
・生成AIによる偽動画は選挙結果の操作につながる危険性をはらむ大きな問題
・菅義偉前首相は課題を整理し実行していく力がすごい
・人口に合わせた選挙区の区割りがベストとは限らない

加藤氏のプロフィールは以下の通りです。

小学生の頃からテレビの選挙速報を見たり、作文に政治家の夢を書いたりと政治に深い関心を持っていた加藤氏。当時の大蔵省に入省したのも「公のために仕事をしたい」という思いがあったからとのことです。

今回は以下の質問からいくつかピックアップして加藤氏に回答していただきました。

時事ネタにヒトコト!

細田博之前衆議院議長が死去

官房長官や衆議院議長を務めた自民党の細田博之衆院議員が11月10日に亡くなりました。加藤氏にとっては官僚出身の先輩であり、細田氏の地元・島根は加藤氏の父親の出身地であり、地域的な縁もある存在でした。

また、細田氏は「選挙博士」と呼ばれるほど選挙制度に精通している面があったとのこと。衆議院小選挙区の区割り変更にあたってもさまざまなアイデアを出していたそうです。

その人柄については「見たまんま」と加藤氏。飾らず、後輩に対しても偉ぶることなく丁寧に対応する人だったと、故人を偲びました。

安倍・菅氏の生成AI偽動画も……

岸田首相に続き、生成AIを利用した安倍晋三元首相や菅義偉前首相の偽動画が作成され、物議を醸しています。

MC鈴木邦和「これ結構政治家にとって怖い話ですよね?」

加藤氏「そうですね。まさに、本物かどうかわかりませんから」

今回作成された動画はすぐに偽動画と判断できる内容だったようですが、もし判断が難しいレベルの偽動画が選挙の時に拡散してしまえば、その「嘘」を証明することは非常に困難です。

その点を踏まえ加藤氏は「選挙結果を恣意的に操作することにも繋がっていくのでは」とコメント。民主主義の基本である選挙の公平性を保つうえで「生成AIの問題は大きな問題」と危機感をにじませました。

もし、選挙結果に影響を与えるような内容とタイミングで偽動画が拡散されたとしても、現在の仕組みではその選挙結果を取り消すことはできません。

このような偽動画を公選法でどう取り扱うのか、また、個人ではなく組織単位で日本の政治を分断させる意図をもって働きかけを行ってくるようなケースも含め、どのように対応していくかについて、加藤氏は議論をすすめる必要があるとの見方を示しました。

菅さんの後任官房長官はプレッシャーあった?

官房長官の在職期間が歴代最長を誇る菅氏の後任として、菅内閣の官房長官に起用された加藤氏。「最初の頃は私もつい『長官』と言ったり、菅さんも『何?副長官』と言ったり」と呼び間違えたエピソードを披露し笑いを誘いました。

就任にあたって、官房長官として菅氏と同じようにはできないと考えた加藤氏は「(菅氏と自分は)違うものだと。自分としてできることをしっかりやっていこうと思った」と当時を振り返りました。

官房長官としての菅氏の評価について問うと、加藤氏は課題を整理し実行していく力に言及。「ペンディング状態になったさまざまな課題に1つ1つ答えを出し、すすめるものはすすめていくという整理を非常にうまくやっておられた」とコメントしました。

菅氏が加藤氏を官房長官に起用するにあたって評価していたポイントについて加藤氏は「本人に聞いてないからわかりませんけど」と濁しつつ、それまでの官房長官・副長官のコンビネーションのなかで評価するものがあったのでは、と語りました。

菅政権の一番の功績として加藤氏が挙げたのは新型コロナウイルスのワクチン接種です。「感染を防ぐのはワクチン」という強い思いのもと、1日100万回の接種を目標に掲げ最終的には150万回を達成しました。

その後の選挙では、菅氏の行くところに多くの人が集まり感謝の言葉を口にしたとのこと。加藤氏も感謝の言葉をかけられ「非常に嬉しかった」とコメントしました。

MC鈴木「それは政治家冥利に尽きますね」

地方の小選挙区は減って良い?

衆議院小選挙区の区割り変更で加藤氏の地元・岡山では選挙区が5から4に減少。加藤氏自身も5区から3区の支部長に変更になりました。

区割り変更は人口動態に基づいて決定されるため、地方の選挙区が減り都市部が増えるという構造になりがちです。

MC鈴木がこの状況が続くことに対し問題提起すると、加藤氏は一票の格差の重要性に触れつつ、国会議員が国民の代表だけではなく地域の代表としての性質を持っている点に言及。

地方の人口減少にあわせて1選挙区の範囲が広がることによって、国会議員と有権者のアクセスが希薄になることについては一定の懸念を示しました。

実際に10増10減の区割り変更にあたっては、党内でも人口のみで区割りを決定することに対して議論があったとのこと。

加藤氏は過去にさまざまな選挙制度があったことに触れ「しっかり議論しながら、民意がしっかり反映されていく選挙制度を作っていきたい」とコメントしました。

動画本編はこちら!

政治家が感じた生成AIの危険性とは?小選挙区の区割りこのままでいいの?

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