【鳥取県】ととのう とっとりサウナ旅

大自然の中のサウナ、熱気浴、温泉、カニ…

鳥取県の自然と観光地を、サウナを通じて体感する新しい旅の提案「ととのう とっとりサウナ旅」。
アウフギーサーの五塔熱子さんも魅了された鳥取ならではの魅力が詰まったサウナスポットへ。

ここには理想のサウナ条件がすべてそろっている


とっとりサウナCEA アウフギーサー 五塔熱子(ごとう ねつこ)

サウナ発祥の地である北欧フィンランドと同じように、森林のきれいな空気と水に恵まれている鳥取県。約3年前、琴浦町の一向平キャンプ場に、日本初となる国立公園内のフィンランド式サウナが誕生し、「鳥取県×サウナ」に熱い視線が注がれている。

その追い風となったのが、神奈川県から鳥取県琴浦町に移住したアウフギーサー(熱波師)の第一人者、五塔熱子さんの存在だ。
「以前から、サウナの魅力を伝えるには自然と近い環境が必要だというのは感じていて。そんなときに私が所属しているAufguss Professional Teamのメンバーで、「サウナタイム」代表の瀬尾圭太さんがNature Saunaの立ち上げに関わることを聞いてワクワクしました。ここには、理想のサウナ条件がすべてそろっています。また新鮮な地元の食材が豊富で、どこのお店に行ってもご飯がおいしいことも魅力的。鳥取県は夫の父の出身地という縁もあり、よし! 移住しようと」


五塔さんが参加している琴浦町役場サウナ部メン バー厳選、町内のサウナ飯を紹介した冊子も好評

アウフグースとは、タオルなどで扇いで熱気を送り、発汗を促すパフォーマンスのこと。

まるで生きているかのように空中に舞うタオル、それを操る指先まで美しい所作に思わず見入ってしまう、そんな五塔さんのダイナミックなパフォーマンスがサウナーたちの心をつかんで離さない。熱波とともに届く心地よい風と香りを感じながらのサウナは、まさに贅沢な時間だ。

移住後は、琴浦町の地域おこし協力隊員に就任するとともにNature Saunaに所属。県から「とっとりサウナCEA」に任命され、ととのうとっとりの広告塔としてサウナの普及やPRに取り組んでいる。


五塔さんが施設に訪れ、アウフグースをするのは不定期。日時は公開されていないので偶然出会えたらラッキーだ


木々の葉擦れや鳥の声を耳に、 森を感じながらゆったり外気浴できる

現在はサウナを深く知ってもらえるようなコンテンツづくりを目指しており、その一つがウィスキング。
「ウィスク自体がいきいきとした芳醇な葉の香りがして、森の一部になったような気持ちになります。自然と深くつながれる、スペシャルなトリートメントです。ウィスクに使う葉もここなら新鮮なものが取れます」
国立公園の豊かな自然に囲まれたサウナだからこその体験なのだ。

「サウナは熱いのを我慢して入るイメージもありますが、リラックスすることが本質。熱さによって思考のスイッチを強制的にオフにすることで、自然と心の余白ができて。気持ちが元気になれるし、物事の捉え方や周りとの関わり方も変わっていく。みんながポジティブになることで世の中が少しでもいいほうに向かっていける、そんな力がサウナにはあると思います」

きっと心が求めるものに気づかせてくれる「ととのう とっとりサウナ旅」になるはずだ。


ウィスク(枝葉を束ねたもの)を使って、マッサージしたり叩いたりしながら刺激を与えていくウィスキング。 専用のサウナ小屋を屋外に設置し、お試し価格で提供できるよう現在準備中


水風呂は大山の伏流水を利用

とっとりサウナCEA アウフギーサー 五塔熱子(ごとう ねつこ)

鳥取県の「CEA(Chief Executive Aufgusser:最高経営アウフギーサー)」。
鳥取県琴浦町のフィンランド式サウナ「Nature Sauna」所属のプロフェッショナル・アウフギーサー(熱波師)。
2023年1月、ポーランドで開催されたアウフグース世界大会で準優勝。2021年春、活動拠点を関東から鳥取県を起点とする西日本に移すことを発表。サウナ界で大きな話題に。

一向平(いっこうがなる)キャンプ場Nature Sauna(ネイチャーサウナ)

大山の麓で本場のサウナを体感

大山隠岐国立公園内に位置する一向平キャンプ場敷地内にある本格的フィンランド式サウナ。

日本初のサウナ専門口コミメディア「サウナタイム」監修で本場の形にこだわり、蒸気をすぐに感じられるようストーブよりも高い位置に座面を配置し、ロウリュができるストーブを導入。木々に包まれる外気浴や天然水の水風呂など、大山の大自然を全身で感じられる。



一向平キャンプ場Nature Sauna

住所 琴浦町野井倉688-130 一向平キャンプ場内
問い合わせ先 0858-57-2100
時間 10:00~17:00(木曜13:00〜、 金・土曜は〜20:00、日曜9:00〜)
定休日 火・水曜と12 月上旬〜3月下旬休
交通アクセス JR山陰本線浦安駅から車25分
値段 1000円
URL https://tottori-camppark.jp/sauna.html

鳥取県ならでは! 温泉を利用したサウナ ①吉岡温泉「吉岡温泉会館一ノ湯」

鳥取県ならではのサ旅を楽しむなら、ぜひ足を運びたいのが温泉を利用したサウナ!

例えば1000年を超える歴史をもつ古湯、吉岡温泉にある「吉岡温泉会館一ノ湯」。江戸時代には鳥取藩主池田氏もたびたび湯治に訪れたという「一ノ湯・御茶屋」が建てられていた場所にあり、湯温51度、毎分100ℓもの湯量を加水・加温せず、源泉かけ流しで提供している。
さらに近年、敷地内にテントサウナスペースを設置。全国的にもめずらしい、源泉をそのまま使用したセルフロウリュができ、美肌の湯をダイレクトに体感しながら気持ちよく汗を流せる。


雪の中でも楽しめる三層構造のテントサウナを 2基用意し、1名から最大8名で利用できる。周りに気兼ねなくプライベート空間で汗を流したあと、温泉に入ってさっぱりするのもいい

吉岡温泉会館 一ノ湯

1000年続く美肌の湯の源泉を使いセルフロウリュを


2021年のリニューアル時に、本場フィンラ ンド式の屋外用サウナを導入。利用時にはプール(水風呂)も設置

豊富な湯量が自慢の源泉かけ流し日帰り入浴施設。
湯口が注がれている浴槽から隣の浴槽への通り道を工夫することで、ちょうどよい湯温に調整し、高温の源泉を加水・加温することなく提供している。

幅広い利用者に対応できるよう、バリアフリーの貸切風呂や全国的にも珍しい犬専用の「わんこの湯」も完備。温泉に包まれる感覚で温まることができるサウナも好評だ。


犬ちゃんも源泉かけ流し! 癒やされるウ~


吉岡温泉会館 一ノ湯

住所 鳥取市吉岡温泉町666
問い合わせ先 0857-57-0555
時間 8:00〜21: 00・最終受付20:30 ※テントサウナは10:00~15:30、前日までに要予約
定休日 無休(メンテナンスの臨時休あり)
交通アクセス JR山陰本線鳥取駅からバス25 分の吉岡中央下車、徒歩4分
値段 テントサウナ2時間1名3500円、2名以上の利用で1名につき2000円(温泉の入浴料)
URL https://ichinoyu.yoshiokaonsencho.com/

鳥取県ならでは! 温泉を利用したサウナ ②三朝温泉「依山楼岩崎」

より身体機能の活性化を図るなら、世界屈指の高濃度のラドン含有量を誇る三朝温泉へ。

地下にあるラジウム鉱泉から生まれたラドンガスが源泉に含まれており、気化したラドンが呼吸により全身の細胞を刺激。
“吸う”ことで免疫機能や抗酸化機能が高まるとあって、「吸ってよし、飲んでよし、浸かってよしと三拍子そろった温泉」といわれている。

そんな三朝温泉を代表する温泉宿の一つが、大正9年(1920)創業の老舗「依山楼岩崎」。多彩にそろう風呂のなかでも人気を集めているのが、温泉水を噴霧したラジウム蒸気風呂(ミストサウナ)だ。


「右の湯」のラジウム蒸気風呂(ラドンを含むミストサウナ)。入口前にはぬる湯 があり、火照った体をやさしくクールダウンできる

依山楼(いざんろう)岩崎

ラドンを含むミストサウナ 体を刺激する浴槽で健康に

皇族や多くの文人墨客を迎えてきた老舗宿。地場産と季節の素材にこだわった会席料理とともに自慢なのが、回遊式の大庭園露天風呂。

温泉水を使ったラジウム蒸気風呂は男湯・女湯ともに完備され、野趣あふれる「左の湯」では三朝温泉のホルミシス効果を最大限に引き出すため、足湯、寝湯、歩行湯など体を刺激する浴槽を配置している。


レトロな雰囲気の「右の湯」。「左の湯」と「右の湯」は早朝5時に男女入れ替え


冬限定の活蟹プランは1泊2食4万6200円~


依山楼岩崎

住所 三朝町三朝365-1
問い合わせ先 0858-43-0111
時間 14:00〜21:00・最終受付20:00(土・ 日曜・祝日は11:00〜15:00・最終受付14:00) ※休館日翌日の平日は15:00〜
定休日 不定休
交通アクセス JR倉吉駅からバス25分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩4分
値段 日帰り:1500円 宿泊:1泊2食1万9800円~
URL https://izanro.co.jp/

鳥取県ならでは! 温泉を利用したサウナ ③三朝温泉「すーはー温泉」

同じく吸うことで三朝温泉のホルミシス効果をたっぷり体感できるのが「すーはー温泉」。
室内に源泉があり、そこから気化したラドンを含む蒸気を吸いながら、体の内側から温めていく熱気浴を満喫できる。サウナとは少し異なるが、30〜43度の低温で入りやすいので、サ活初心者にもおすすめだ。


熱気浴室は「恋泉庵」とより高濃度な「不老庵」の2室。1サイクルごとに男女入れ替え制となる

天然ラドン熱氣浴泉 すーはー温泉

「吸う」温泉で体内の細胞を活性化

もとは、「吸う温泉」を体験できる「熱気浴」を治療の一環として利用していた、岡山大学の分院があった場所。鳥取中部地震の影響で一度は休業したが、営業再開を望む声が全国から寄せられ2020年にリニューアルオープンした。
地下に湧き出る温泉の熱を利用した熱気浴室に30~40分間入り、深い呼吸をしてラドンを体内に取り込む。


乾式熱気浴室「ヴァポリウム」は温泉の蒸気が煙突を通して部屋へ。熱気浴室と比べ湿度が低めなので過ごしやすい


天然ラドン熱氣浴泉 すーはー温泉

住所 三朝町三朝939-1
問い合わせ先 0858-33-5772
時間 9:30〜17:40(要予約)
定休日 第1火曜
交通アクセス JR山陰本線倉吉駅からバス25分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩3分
値段 不老庵2200円、恋泉庵1760円、ヴァポリウム1100円
URL https://misasaonsen.jp/sightseeings/sightseeing-2231/

蟹取県ウェルカニキャンペーンも実施中!

さらに、カニの水揚げ量日本一を誇る鳥取県が冬に「蟹取県」と改名を始めて今年で10年。記念すべき“カニバーサリーイヤー”を迎え、見逃せないお得な企画もいっぱい。サ飯に蟹三昧するのも一興だろう。冬のサ旅は鳥取県で決まり!


  • ※提供/鳥取県
  • ※取材・文/佐藤明日香
  • ※撮影/中野一行
  • ※本記事は、月刊誌『旅の手帖』2023年12月号からの転載です

旅の手帖

『旅の手帖』は、旅の楽しさ、日本の美しさを伝える旅行雑誌です。

第1特集は、「まだまだ、もっとサウナ旅!」
第2特集は、「千葉県でリセット旅」

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価格 880円(税込)
発売日 2023.11.10
サイズ/判型 A4変型判
雑誌コード 05907-12


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