「サッカーは愛と情熱」 ジーコさんが青森県初来訪、県内指導者らにアドバイス

トークショー後のサイン会でファンと交流するジーコさん(左)=21日午後、青森市

 サッカー元日本代表監督で、J1鹿島アントラーズFCクラブアドバイザーを務めるジーコさん(70)のトークショーが21日、青森市のねぶたの家ワ・ラッセで開かれた。「神様」とも呼ばれるジーコさんは、サッカーとの向き合い方について「愛と情熱が大事」と語り、指導や上達のこつなどをアドバイスした。

 ジーコさんが青森県を訪れるのは初めて。トークショーは、青森県サッカーのさらなる発展を図ろうと、鹿島のサッカー教室を開いているむつ市サッカー協会が主催し、県内の指導者ら約120人が聞き入った。

 ジーコさんはプロリーグ参入を目指していた鹿島の前身の住友金属での経験を踏まえ、「自分たちがやっていることを信じてやり切ることが大切。このときに鹿島アントラーズの哲学が生まれた」と回顧。来場者から小学生のうちに身に付けるべきものは-と問われると、「小さな喜びをいかに積み重ねるかが大切。またサッカーをやりたいという気持ちにさせてあげて」と助言した。

 トークショー後はサインや記念撮影に応じファンと交流。青森市の地方公務員長谷川和希さん(24)は「生で見られてとてもうれしい。サインは家宝にする」と興奮気味に話した。

 イベント前に取材に応じたジーコさんは、青森県の子どもたちに向け「基礎が大切」とエール。今季鹿島に復帰した柴崎岳選手(31)=野辺地町出身=に触れ、「岳は何もせずに今の地位を築いたのではない。その裏にはたくさんの努力がある」と語った。

 この日は鹿島の鈴木秀樹副社長=八戸市出身、元日本代表の中田浩二さんと本山雅志さんとともに県庁を訪れ、宮下宗一郎知事とも懇談。ワ・ラッセでねぶたばやしを体験するなど、青森県の魅力にも触れた。

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