朝乃山連敗、苦手大栄翔に屈す 最後の大関戦へ

 大相撲九州場所(福岡国際センター)10日目の21日、東前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は東関脇大栄翔(追手風部屋)に押し出され、2敗目を喫した。不戦敗を含めて4連敗と苦手な相手に及ばず「負けが先行しているので、苦手と言われてもおかしくない」と悔しさをにじませた。途中出場から実力者との連戦で、番付の降下を最小限にとどめるためにも試練の土俵が続く。

 「踏み込みは良かった」という納得の立ち合いから、下からあてがって前に出る。激しい突き、押しの応酬から頭で突っ込んできた大栄翔に思わず引いてしまうと、呼び込んで上体が起き、そのまま押し出された。

 朝乃山は自分のペースをつかめず「突っ張りの威力が強くて、つかまえにくい。やっぱり強かった」と認めざるを得なかった。対戦成績は7勝13敗となり、厳しい突き、押し相撲への対応が課題となっている。

 2連敗にも、休場の原因となった左ふくらはぎについては「足は動いている」と影響は否定。負担を掛けないためにも前に出る相撲で連敗を止める決意だ。

 11日目は西大関豊昇龍(立浪部屋)との対戦が組まれた。過去は3連敗しており、勝ったことがない相手。終盤戦も三役以上との厳しい闘いが予想されるも「当たってもおかしくないと思っていた。逆に当たりたかった」と強気な姿勢を貫き、今場所の大関戦最後の一番で雪辱を期す。

 7日間の休場から出場した朝乃山には連日、温かい声援と拍手が送られている。1勝2敗7休と厳しい状況だが、星勘定は気にせず「気を引き締め直して、一日一番頑張る」と自らに言い聞かせ、集中力を高める。

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