放置小型機停留料 滞納扱いせず 岡山県に監査委員「重大な不備」

 岡山県が管理する岡南飛行場(岡山市南区浦安南町)のエプロン(駐機場)に個人所有の小型機が6年近く止められている問題で、停留料約360万円が支払われていないにもかかわらず、県が決算上の収入未済として計上せず、県監査委員から「重大な不備」と異例の指摘を受けていたことが21日、分かった。停留期限を設けない県独自のルールに基づき「滞納金」として扱ってこなかったといい、制度の不備が改めて浮き彫りとなった形だ。監査委員は早急に再発防止策を講じるよう求めている。

 小型機は2017年12月から滑走路脇のエプロンの一角に駐機。20年ごろから県外在住の所有者と連絡が取れなくなり、18年5月以降の停留料が未払いとなっている。一方、県は駐機場の長期利用を促す観点からあらかじめ停留期限を設定せず、離陸時に停留料を精算する仕組みとしていることから、担当部局は収入未済には当たらないと判断してきたという。

 こうした実態に対し、外部の弁護士らが務める監査委員は「重大な不備につながる事案」と指摘。今月上旬、再発防止に向けて事案の周知と具体策を講じるよう求める意見書を県側に提出した。監査委員の1人は取材に対し「決算上の収入未済案件として組織内で情報共有していればもっと早期に対応できた可能性もある。早急に制度を改善すべきだ」と話した。

 県航空企画推進課は「停留期限に関する規定がないことが大きな要因と考えており、重く受け止めている。他の空港の事例を参考に対策を講じたい」としている。

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