国の補助金半減の中 1カ月7千円浮く!攻めの節電・節ガス・節水対策

室外機まわりとフィルターを両方掃除した場合→月約1,720円の節約に

国の電気やガス料金の補助金は、’24年3月末まで延長される見込みだが、補助金があるからと安心はできない。冬の光熱費が高騰すると予測されるなか、取れる策はーー。

「’23年6月に大手電力7社が規制料金を最大39・7%引き上げ、ガスとのセット契約など自由料金も値上げが相次ぎました。

それに、国の補助金は9月使用分から半減しています。10月の請求額の高さにびっくりした方も多いでしょう。補助金はあっても半減となれば、今夏ほど助けにはなりません」

と厳しい状況を解説するのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。

平均的な使用量に基づく大手電力会社の10月請求額は下表のとおり。すべて値上がりしていて、家計への打撃は大きい。

「そもそも光熱費は夏より冬のほうが高くつきます。夏だと33度から7度下げれば26度ですが、冬は10度から15度上げないと25度になりません。差が大きい分、電力消費が増えるのです」(和田さん、以下同)

総務省の調査でも、電気代は’23年2月が1万8千750円で同年8月は1万22円と、約8千円の差。ガス代は2月が8千289円で8月は3千266円と、約5千円の差があり、どちらも2月のほうが高い(2人以上の世帯の平均)。

「最近は暖かかったので冬の寒さを忘れがちですが、光熱費の節約はいますぐ始めるべきことがたくさん。エアコンの室外機や窓まわりの対策は、寒くなったらおっくうでやらないこともあるのでいち早くやること。100均の節約グッズも、いまならまだ選び放題です。

急に寒波が来ても慌てないように、早め早めに準備しましょう」

■11月からすぐ始めるべき【節電】【節ガス】アイデア8

※資源エネルギー庁は、暖房期間 5.5か月(169日)、冷房期間 3.6か月(112日)、中間期84日と規定
※電気 31円/kWh、ガス 162円/m3として試算

【1】エアコン室外機まわりとフィルターの掃除

室外機まわりとフィルターを両方掃除した場合→月約1,720円の節約

「最初は外仕事から。エアコンの室外機やフィルターを洗いましょう。暖かい日なら楽な作業です」。外にある室外機の掃除やフィルターの水洗いは、暖かいうちがおすすめ。室外機は前面の吹き出し口付近の荷物を撤去し、雑草や落ち葉などを払う。室外機は雨がかかってもいい設計なので、裏面の熱交換器を含め全体にホースで水をかけて洗ってOK。フィルターはシーズン初めだけでなく、2週間に1回掃除するのが◎。節約効果はダイキンが検証した夏のデータだが、冬は夏より消費電力が多いので、月1,720円以上節約できるかも。(※ダイキン工業「第7回『ダイキン空気のお悩み調査隊がゆく』」調べ)

【2】シャワーカーテン、断熱シート……窓まわりの断熱対策

冷気を遮断して、エアコンの設定温度を1度下げた場合→月約300円の節約

暖房で温めた空気の約58%は窓から逃げるという。窓まわりは温めた空気を逃がさず、外の冷気を入れない断熱対策が重要だ。窓ガラスに断熱シートを貼り、足元には冷気防止ボードを、建て付けの悪い部分にはすき間テープを。カーテンを長く厚いものに替え、ビニール製のシャワーカーテンを取り付ける。窓を開け閉めしての作業が寒くなる前に、100円ショップで必要なものが売り切れる前に、実行を。

【3】ホットカーペットやこたつマットの下に断熱マットを敷く

設定温度を「強」から「中」にした場合(3畳用で1日5時間使用)→月約1,049円の節約

断熱マットを敷くと床に逃げる熱が抑えられ、設定温度を強→中にしても暖かい。ホームセンターでは種類が豊富だが、100円ショップのものでも効果は実感できる。踏み心地がソフトなので、暖房を使わない季節から敷いてもOK。100円ショップで探したい人は早めに。

【4】電熱ベストを部屋着にして暖房はOFF

電熱ベストを着て、平日の日中はエアコンOFF(日中8時間)→月約1,428円の節約

充電したモバイルバッテリーで背中の電熱を温めて使用する電熱ベスト。昨冬から屋外で作業する人を中心に人気だが、冬の部屋着にもピッタリ。昼間家にいることの多い主婦が電熱ベストを着ればポカポカでエアコンいらず。モバイルバッテリーの充電は1日1円程度だから、日中エアコンなしで過ごせると節約効果は絶大! 人気のデザインから売り切れるので、購入は寒くなる前、種類豊富なうちに。

【5】冷蔵庫の吹出し口前を整理。設定は強→中に

設定温度を「強」から「中」にした場合(周囲温度22℃)→月約159円の節約

冷蔵室は詰め込みすぎがダメ。特に冷蔵室の奥、冷気の吹出し口近くに物が多いのはもっとダメ。賞味期限などをチェックしスッキリ整理を。冷蔵庫の設定温度は夏が終わったら強→中に変えよう。ボタン一つでできることはすぐやることが節約への近道。もっと寒くなれば設定を弱にしても。

【6】お風呂は風呂ふた+保温シートのダブル使いで熱を逃がさない

追い焚き(1回)がやめられたら(2時間放置して4.5℃低下した湯200Lの場合)→月約516円の節約

節ガスのポイントは追い焚きを減らすこと。家族が間を空けず次々入浴する工夫を。時間が空く場合は風呂ふたに加えて、湯に保温シートを浮かべるダブル保温がおすすめ。導入初日から効果を実感できるので、すぐ始めよう。保温シートは100円ショップで早めの購入がおすすめ。

【7】節水シャワーヘッドに替えて止水しながら使う

家族4人全員シャワーを3分ずつ使用、50%節水にすると→月約1,605円の節約

節水シャワーヘッドは取り付ければ、使い方を変えなくても節約できるのがいいところ。節水シャワーヘッドは節水のためのグッズだが、給湯量を減らせばガスの使用量も減らせてガス代の節約にも。特に止水ボタンがついたものはシャンプー中の一時停止も簡単で、給湯量をさらに削減可能。シャワーヘッドを交換するだけで節約できるのがうれしい。冬に慌てる前に、今すぐ取り付けを!

【8】ヘアドライ手袋を使って、ドライヤー時間を短縮

家族4人全員ドライヤーを3分短縮できたら(1200Wのドライヤーの場合)→月約223円の節約

「早く乾けば冬に多い風邪の予防も髪の健康も保てます。“ちりつも”レベルの節電を積み上げることが大切」。吸水力の高い素材でできたヘアドライ手袋をドライヤーを持つ逆の手にはめて、タオルドライをしながらドライヤーを使うと、髪の毛が早く乾く。ドライヤーの時間が短縮できた分、電気代も削減できる。100円ショップにもあるので、なくなる前に!

■全部合わせて月に約6,893円の節約に!

上記の8つをすべて行うと、月約7千円の節約が可能だ。寒波が来てからでは遅い。ラストチャンスはいま。対策を急ごう。

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