国連、パリ五輪で休戦決議 ロシア反発、異例の投票

来年のパリ五輪・パラリンピックに合わせて休戦を求める決議案を採択した国連総会=21日、米ニューヨーク(共同)

 【ニューヨーク共同】国連総会は21日、来年のパリ五輪・パラリンピックに合わせて加盟国に全ての紛争の休戦を求める決議案を118カ国の賛成で採択した。開催国のフランスが決議案を提出した。これまでの五輪でも同様の決議を議場の総意で採択してきた。今回はウクライナ侵攻を続けるロシアが反発したため、異例の投票に持ち込まれた。

 ロシアとシリアが投票を棄権し、反対はゼロだった。決議は来年7月のパリ五輪開幕の1週間前から9月のパラリンピック閉幕の1週間後まで、選手らが安全に参加できるよう休戦を要請。スポーツを「平和と対話、和解を促進する手段」と位置づける国際オリンピック委員会(IOC)との協力を呼びかけた。

 IOCはロシア勢のパリ五輪出場の可否を保留している。21日の国連総会にはIOCのバッハ会長も出席し、ロシアがウクライナ侵攻で「五輪憲章に違反した」と指摘した。

 各国は投票前に意見を述べた。ロシアの代表は「決議案には、スポーツを政治化せず選手の参加において差別しないとの原則が盛り込まれていない」と不満を表明した。

米ニューヨークの国連本部

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