「賢く判断してくれた」苦しい戦いの中でも選手たちの好判断が結果に、森保一監督は知らなかった歴代最多タイの8連勝に「選手とスタッフの努力」

歴代最多タイの8連勝に導いた森保一監督[写真:Getty Images]

日本代表の森保一監督が、歴代最多タイの8連勝を達成したシリア代表戦を振り返った。

日本代表は21日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選グループ第2節でシリア代表と対戦し、5-0で圧勝した。

初戦のミャンマー代表戦をホームで戦った日本は5-0で圧勝した中、1-0で北朝鮮代表に勝利したシリアと対戦した。

試合は序盤から日本が押し込む展開となるも、引いて守るシリアの前にゴールが生まれない。それでも32分、伊東純也のパスを受けた久保建英がボックス手前から左足一閃。圧巻のミドルシュートを叩き込むと、ここから日本が一気に畳み掛ける。

37分には左サイドをオーバーラップした伊藤洋輝のクロスをボックス右で伊東が頭で折り返すと、ミャンマー戦でハットトリックを記録した上田綺世が合わせて2点目。さらに40分には久保のスルーパスに反応した伊東のクロスを上田が押し込み3-0とする。

後半に入っても早々にFKを獲得すると、久保の落としを菅原由勢が右足で豪快に決めて代表初ゴール。終盤には伊東のクロスを細谷真大が決めてこちらも代表初ゴールとなり、5-0で圧勝した。

試合後の記者会見に臨んだ森保監督は、久保がミドルでこじ開けた先制ゴールを「貴重なゴールだった」と評価。その中で、さらにゴールを重ねられた点についても評価した。

「選手たちが賢く試合をこう進めるということ。強かに試合を進めるという部分を実践してくれたなと思っています」

「先制点を決めて少し緩むのではなく相手の気持ちが、メンタルの状態が少し落ちたところで畳みかけるという試合の状況を見て、試合をより優位なものにしてくれたのは、選手たちとチームの今後の戦いとしてもさらに賢く強かに勝っていくということは続けていけるようにしたいなと思っています」

「目の前の対戦相手に勝つだけであれば、違うプレーになっていたかもしれないですけど、本当に目の前の対戦相手に全力を尽くして勝つこと、プラス自分たちの成長に繋げるために、自分たちが何をしなければいけないかという、より高い基準を持ってプレーしてくれてることが畳み掛けることにも繋がってると思います」

しっかりと成長も感じられるパフォーマンスだった日本代表の選手たち。それでも、30分までは苦しい中でポジションを変えるなどして選手たちはピッチ上で試行錯誤を繰り返していた。

「選手たちの判断で色々と立ち位置を変えてくれていたかと思います。1度名波コーチが攻撃の部分でコーチングしてくれた部分は、パスの距離を変えるということを選手に伝えてくれました」

「選択肢に関しては練習の時やミーティングで色んな選択肢があると。相手のこれまでやってきた形も、色々あったり、展開の中でどう立ち位置を変えていくっていうところは工夫しながらやっていこうというのは、コーチ陣がより選択肢を試合の前に選手たちに持たしてくれていました。そこから選手が状況に応じて、賢く判断してくれたと思います」

コーチや選手たちがしっかりと積み上げたものがピッチ上で表現できていたゴールラッシュ。特に2点目の左サイドから崩して逆サイドに振り、最後は中で決めるという形も称えた。

「質問にあった2点目もそうですけど、トレーニングでやってること、毎回の活動で積み上げてることが形に出てるということは、選手がよりクリアで思い切ったプレーをしてくれることに繋がりますし、チームとしても積み上げてきているものを発揮し、結果に繋がっているということはより大きな自信になるかなと思っています」

「しかしながら、対戦相手も警戒して対策をしてくると思いますので、この積み上げをさらに多くのオプションに繋げていけるようにしたいなと思っています」

「大切なところはやはりその積み上げの部分で、ベースとなるところ、立ち返るところは忘れてはいけないと思いますので、この積み上げはしっかりとチームのベースとして持ちながら、さらなるレベルアップを目指していければなと思います」

今回の勝利で、日本代表は8連勝を達成。歴代最多記録に並ぶこととなり、森保監督は過去7連勝を経験していた。

「そこは本当に選手とスタッフの努力が結果に繋がっていると思いますし、チームとして努力していることは8連勝に繋がっているということは、監督としては嬉しいです」

「ただ私自身は、すいません全然そういうことは考えてなくて目の前の一戦に勝つことだけを考えていて、実は今知りました。対戦相手もFIFAランク上位の世界の強豪から、いわゆる格下といわれる力の差がある相手との対戦もありますので、本当に強い相手により勝っていくっていうことと、勝って当たり前の相手に勝っていくということを、よりこの先も続けていければなと思います」

「気の緩みがないように、常に高い目標を持ちながらも目の前の一戦に、最善の準備をする、全力を尽くすということを続けていきたいと思います」

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