阪神とオリックスのVパレード、神戸の人出は数十万人予想 沿道の店舗に広がる期待と不安…対応分かれる デパートでは「初の対応」も

コースとなっている三宮中央通りと鯉川筋が交わる交差点。パレードによる規制を知らせる看板が立てられた=21日午後、神戸市中央区元町通1

 プロ野球阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝記念パレードは23日、神戸市と大阪市で同日開催される。パレード開催事務局によると、兵庫会場では観覧エリア内の人出を最大25万人と見込んでおり、両球団の合計は数十万人に上るとみられる。沿道では、にぎわいへの期待を込めて通常営業をする店舗が多いとみられる一方、交通規制の影響や安全面での不安から臨時休業を決めた店もある。(高田康夫、杉山雅崇、大高 碧)

 兵庫会場のパレードは、阪神が午前11時から、オリックスが午後2時から。神戸市中央区の東遊園地前からフラワーロードを北上し、神戸国際会館前の交差点で左折し三宮中央通りを西進。大丸神戸店前で鯉川筋に入ってメリケンパークまで南下する約2キロのコースだ。阪神とオリックスで観覧エリア内の観客を入れ替えるといい、大移動による混雑も予想される。

 沿道には店舗がずらりと並ぶ。席から通りが見渡せる飲食店の中には、コースの決定後すぐに予約でいっぱいになった店もあった。出発地点に近いレストラン「ロイン フラワーロード店」は、あえて予約を受けずに営業し、店頭では気軽に食べられる特別メニューの販売も計画。店長代理の藤井蒼馬さん(22)は「特別な日を多くのお客さまに楽しんでいただきたい」と期待する。

 鯉川筋で「カフェ クロト」を営業する店主の森北アイ子さん(43)は阪神ファン。通常は正午からの営業開始をパレード前に早める予定で「すぐそばで開催されるめでたいパレードなので、一緒に盛り上げていけたら」と話す。

 一方、交通規制による配達の難しさや従業員の出勤しにくさを心配する声も。フラワーロード沿いのケーキ店「コーヌ」は臨時休業を決めた。「前回(2003年)の写真を見ると、かなりの混雑具合。営業どころではないかな」と店主の本岡遊さん(38)。パレード当日の授業を取りやめた専門学校もあった。

 当日の様子で営業するかどうかを決めるという店舗の男性店長(39)は「神戸マラソンは説明に来てくれたのに、パレードは何の説明も受けていないので、会社にも報告できない」と打ち明ける。その上で「植木鉢などを店頭に出していてよいのか。とにかく安全面をちゃんと考えてほしい。パレード後のごみも心配」と当惑気味に訴えた。

 大丸神戸店は通常営業をする一方で、多くの人が押し寄せるとみられる元町側の玄関3カ所を開店時からパレード終了時まで締め切り、出入りできないようにする。ルミナリエなどではしておらず、「初めての対応」という。

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