杉玉の「酒林」お目見え、新酒の季節到来 姫路・ヤヱガキ酒造「例年より力強い味わい」

新酒の仕上がりを知らせる「酒林」=姫路市林田町六九谷

 新酒の季節到来を告げる杉玉「酒林(さかばやし)」が21日、兵庫県姫路市林田町六九谷の「ヤヱガキ酒造」にお目見えした。酒蔵前につり下げられ、杜氏(とうじ)らが良質な酒の完成や作業の安全を祈願した。

 酒林は、青い杉の葉が徐々に枯れて茶色に変わる様子で酒の熟成具合を表すとされる。同酒造では、前杜氏の田中博和さんが金属製の球体の芯に、軽トラック1台分の杉の葉を細かく差し込み、直径約80センチ、重さ約60キロの大玉に仕上げた。

 新酒造りは10月13日から始まった。今年は気温の高い日が長く続いたため、発酵の進み具合を調節するのに苦労したという。杜氏の佐藤直樹さん(58)は「例年よりも力強い味わいの新酒になった」と話す。

 新酒は今月28日から県内の取扱店などで販売する。同酒造TEL079.268.8080 (橘高 声)

© 株式会社神戸新聞社