移住促進へ意見交換、委員に12人委嘱 「くらすべ山形」懇談会

移住の課題や促進策について意見を交わした懇談会=山形市・県建設会館

 県や市町村、経済界でつくるオール山形の「ふるさと山形移住・定住推進センター」(愛称・くらすべ山形、鈴木隆一理事長)の懇談会が21日、山形市の県建設会館でオンラインを併用して開かれ、UIターン経験者や大学教授が務める委員が課題や移住促進策について意見を交わした。

 2023、24年度の第2期委員に12人を委嘱。移住や仕事、活動を取り巻く課題について、名古屋から移住し、デジタルで農家をサポートする大山裕貴さん(村山市)は「山形の仕事は収益性は低いが、地方創生に関われるやりがいを感じる。継続して収益を上げていけるかが課題になる」と指摘した。最上のくらし舎代表理事の吉野優美さん(新庄市)は移住定住自体は目的にならないとし、「目的になるものがあれば、人は自然に集まる」と話した。

 今後の移住促進策に関し、福島県出身で進学をきっかけに来県し小嶋総本店に勤務する五十嵐有佳さん(米沢市)は、仕事と家族、友人をポイントに挙げ「仕事では若者が活躍をイメージできるような企業の発信が重要だ」と続けた。岐阜市出身でやまがたアルカディア観光局副理事長の鷲見孝さん(長井市)は都市部の定年退職した人材と地方の企業のマッチング支援を提案した。

 座長の山田浩久山形大教授は最後に「商品とは異なり、地域のマーケティングでは、正直に地域の価値を伝えなければならない。過大でも過小でもいけない」と語った。

 くらすべ山形の相談窓口を通じた23年度の移住目標は「300人以上」。懇談会には県の担当部署も同席した。委員の意見を今後の施策に反映させる。

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