「鳥肌立つくらい天才」「か、神芝居…」1冊のノートが物語に その仕掛けとまさかの展開に驚きの声

「紙を使ったもの」を考えると、何が思い浮かぶでしょうか。漫画、紙芝居、折り紙、本など、相手に自分の思いを伝える方法として、紙を使うことが多いと感じませんか?

今、紙工作作家、工作漫画家として活動しているしんらしんげさん(@shin___geki)の作品がX(旧Twitter)で話題になっています。
今月10日にしんらしんげさんが投稿した動画は9.2万回いいね、622万回表示されています。(2023年11月20日現在)

この動画には「鳥肌立つくらい天才」「か、神芝居…」「神すぎます」など絶賛のコメントが寄せられていました。
今回作品を作ったしんらしんげさんに話を聞きました。

折り返しからの神展開

しんらしんげさんが投稿したのはノートに仕掛けをほどこした一つのストーリー。アイドルの成長をテーマにしており、少女の細かい表情の変化など、仕掛けがたくさん詰まった作品です。

ノートに仕掛けを作った物語『夢追いかけて』(@shin___gekiさんより提供)

アイドルをテーマにした理由は、2021年5月29日に投稿した4コマ漫画を回文でやろうと考え、今回の作品を制作したようです。

「今回は、文章を逆から読んでも成立する回文ポエムを参考にし、逆から進めても成立する工作漫画を作りました」とのこと。

テレビに映るアイドルに憧れたとある少女。やがてアイドルの卵としてステージに立ち始めますがお客さんはまばら…。少女は落胆します。ここからノートが折り返し、明るい展開になっていきます。小さな女の子からサインを求められ、決意を固めたのか少女は上を向きます。ここからさらに前向きに努力していくのです。

ノートに仕掛けを作った物語『夢追いかけて』(@shin___gekiさんより提供)

折り返したノートは、折り返す前のページと変わっているところはありません。仕掛けの使い方によって、物語が180度変わって見えるのがまさに“神展開”。

しんらしんげさんによると、作品の制作には3週間ほどかかったそうです。

「作品はある程度なんとなく構成を思いついてから制作しています。今回のようにストーリーものだとたくさん描かないといけないので、3週間〜1ヶ月かかります。1枚のイラストに動く仕掛けなどをつけると、1週間ほどかかります」とのこと。

イラスト、仕掛けもすべてしんらしんげさんの手作りだというから驚きです。

この動画の反応について、「基本褒めてくれるコメントが多くてうれしい」としんらしんげさん。

「文章の表現が苦手で、作品にはほとんど文章を使わないので、コメントで解説、感想を書いてもらえるのがありがたいです」

暇つぶしがきっかけでした

しんらしんげさんが紙工作を始めたのは、大学生の頃の暇つぶしがきっかけでした。家で工作、イラストを描いていたところ、偶然思いついた紙コップ漫画の動画をXにアップ。この投稿した動画が拡散され、2016年Xのリツイート数国内1位になりました。

そこからさまざまな作品を投稿するようになり、現在は100個以上の作品を作っているとのことです。

動くイラストを作っている様子(@shin___gekiさんより提供)

現在紙工作作家、工作漫画家1本で活動しているしんらしんげさんは、企業のPR案件や本の出版、児童館で工作の先生など多岐に活躍しています。

しんらしんげさんが作った動くイラスト『夏祭りの彼女』(@shin___gekiさんより提供)

紙工作、工作漫画を作るうえで、「新しいことに挑戦するべく誰もやっていないようなことをやろう、世に出そう」とこだわりを持っているしんらしんげさん。

今後は立体的な作品に挑戦したいと意気込みを語ってくれました。

「紙などの平面なものを作って動かしているが、紙で人形みたいなものを作って動かしたい。設計図を書くために、3DCGの勉強をしている最中です。新しい仕掛けを生み出していければと思っています。」

しんらしんげさんの作品はどのようにパワーアップしていくのでしょうか。しんらしんげさんの他の作品を見てみたい方は、ぜひXを見てくださいね。今後の新しい作品が楽しみです。

ほ・とせなNEWS編集部

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