青森県内「利用者少ない」5路線7区間、全て赤字 JR東、2022年度収支公表

[(/mwimgs/9/5/-/img_9575fa3115c9f240e679f66317f5bdf0162615.gif)

 

 JR東日本は21日、利用者が少ないローカル線の2022年度の区間別収支を発表した。青森県関係は、今回開示対象とした奥羽、大湊、五能、津軽、八戸の5路線7区間全てで支出が収入を大幅に上回る赤字で、前年度から収支の大きな改善は見られなかった。

 公表対象は、新型コロナウイルス流行前の19年度に、1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が2千人未満だった区間。これまでは津軽線・中小国(外ケ浜町)-三厩(同)も対象だったが、被災で昨年8月から運休中のため今回は公開対象外とされた。

 7区間の中で赤字額が最も大きかったのは21年度に続き奥羽線・大館(秋田)-弘前間の24億2500万円で、21年度から300万円増えた。次いで、津軽線・青森-中小国間が17億7600万円で21年度に比べ2億1千万円減、五能線・能代(秋田)-深浦間が21年度と同じ16億9200万円などだった。

 収入が最も少なかったのは能代-深浦間で3200万円。費用に対する収入の割合を示す収支率も1.9%で最低だった。100円の収入を得るために必要な費用「営業係数」は5386円で最も高かった。

 奈良浩明県企画政策部長は22年度の収支状況を「依然として厳しい」と受け止めた。県は23年度から、県内路線沿線の飲食店や観光名所を県のホームページで紹介する事業などを行っており「JRと連携しながら、鉄道の利用促進に取り組んでいく」と述べた。

 JR東は昨年7月、存廃を含めたローカル線の在り方に関する協議を沿線自治体と進めるため、利用者の減少が顕著な路線の収支を初めて公表した。

© 株式会社東奥日報社