閉鎖のレグザ三沢工場(青森県)、従業員7割が退職選択 埼玉への異動拒む

三沢公共職業安定所の職員から失業給付の説明を受ける従業員=21日午後、三沢市南町

 液晶テレビの修理業務を行ってきた「TVS REGZA(レグザ)」(本社・川崎市)の青森事業所三沢工場の閉鎖を受け、約80人の全従業員のうち7割が埼玉県内の事業所への異動を拒み、早期退職を選ぶことが21日、同社への取材で分かった。同社は三沢公共職業安定所や三沢市とともに引き続き再就職を支援する。

 三沢工場では売却が決まるまでの間、建物や資材の管理に当たる一部の従業員を除き、70人余りが埼玉県行田市の事業所への異動を打診されていた。今月に入り会社側が対象者に対し個別に意思確認したところ、60人前後から離職する意向を伝えられた。配置転換の打診を受けたのは40~50代の男性が中心。「(介護や子育てなど)家庭の事情を抱えていて、地元を離れたくない」といった声が多かったという。

 三沢職安や三沢市などは21日、工場内で早期退職する従業員を対象に再就職支援や雇用保険制度などについて説明を行った。工場閉鎖の報道後、会社側には人手不足に悩む県内各種企業から「受け入れにぜひ協力したい」といった連絡が届いている。レグザ社経営企画部の岡本敏宏副部長は取材に対し「多くの企業から声をかけていただき、ありがたい。より具体的な再就職先を紹介したい」と語った。

 レグザは東芝がかつて手がけた液晶テレビのブランドで、同工場で製造が行われてきた。5年前に中国家電大手の傘下に入り稼働を続けてきたが、テレビ需要の低迷や物流コストの増大が影響し、閉鎖が決まった。三沢工場が近年担ってきた修理業務の機能は、12月末までに行田市の事業所に移される。

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