2025年よりBTCCが新たなジュニア選手権を創設。1800ccで重量約830kgのFRサルーンによる争いに

 世界最古の歴史を誇るBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の主催団体であるTOCAは、2025年から導入する予定の新しいジュニア・チャンピオンシップに関する概要を発表。現在の暫定計画では、重量約830kgで共通スペックの1800ccエンジンを搭載した後輪駆動モデルがフィーチャーされ、若手ドライバーのニーズに合わせて調整できるサスペンションと多数の制御部品を備えた、ジュニア・サルーン・カー選手権になるという。

 この新規TOCAジュニア・チャンピオンシップの完全な仕様と詳細は、来年の春にリリースされる予定だが、シリーズ創設に必要な認可発行に関しては、最終的にモータースポーツUK(MSUK)の審査承認プロセスの対象とされる。

 新規開発が予定されるTOCAジュニア・レースカーは、若いドライバー向けに設計された特注のFRシャシーを採用し、最新の人間工学に基づいた優れた視認性を提供。出力を揃えた1800ccの直列4気筒エンジンはシーケンシャルギヤボックスとリミテッドスリップディファレンシャル(LSD)が組み合わせられ「ドライビングが楽しく、エキサイティングで満足のいくクルマになる」という。

 サスペンションは前後のサブフレームに取り付けられ、ステップアップを目指すドライバーがそれぞれのニーズに合わせてハンドリングを調整するのに充分なセットアップ領域が与えられ、こちらも前後バイアス調整機能付きのベント付きディスクブレーキを含め、パフォーマンスに合わせた優れた制動力が提供される。

現在のBTCCはNGTCと呼ばれる車両規定を採用。前後共通サブフレームでFF/FR双方を許容し、2リッター直列4気筒直噴ターボを搭載する
このジュニア・サルーン・カー選手権にも、グッドイヤーのワンメイクタイヤが供給される

■BTCCサポート選手権として「群を抜いたメディア露出」を保証

 これらすべての管理対象部品は、性能パラメータ内での適合性と平等な競争条件を確保するためシールやマークが付与され、車重は約830kg前後に。これによりジュニアチャンピオンシップ特定のパワーウエイトレシオに関するMSUK基準を満たすことになる。

 この特注設計のサルーンボディにはフロントスプリッターとリヤディフューザーが装着され、リヤウイングとともにグッドイヤーのワンメイクタイヤにさらなるグリップ力を与える。

 その内部には、最新仕様のFIAアドバンスド・レーシングシート8862-2009のほか、FIA仕様のサイドインパクトパネルとFIA公認レーシングネットが装備され、あらゆる体格のドライバーだけでなく、必要に応じてドライバーコーチ/インストラクターにも充分なスペースと最高レベルの安全性が保証される。

 車両、部品、ランニングコストは、他の既存のジュニアカーと同程度の価格設定となり、多くの場合それを大幅に下回る価格設定が見込まれる。また、すべてのレースはBTCCのサポート選手権として開催されるため、大勢の観客や大規模な無料テレビ生中継を通じて、サポートシリーズとして「群を抜いたメディア露出」が保証されるという。

 クルマと2025年プログラムの詳細は春の正式発表時に公表される予定で、各参戦チームにクルマを納車するための注文受付と、シリーズエントリーの申し込みは追ってアナウンスされる。

すべてのレースはBTCCのサポート選手権として開催されるため、大勢の観客や大規模な無料テレビ生中継を通じて、サポートシリーズとして「群を抜いたメディア露出」が保証されるという
長年、BTCCのサポートを務めたジネッタの選手権が、ブリティッシュGT併催へ移行するための措置でもある

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