累計発行部数650万部を突破するヤンキー漫画『OUT』が、『ドロップ』を手掛けた品川ヒロシ監督・脚本によって待望の実写化。2023年11月17日より全国劇場公開されました。
今作が実写映画初出演となり、注目を集めているのが、グローバルボーイズグループJO1の與那城奨、大平祥生、金城碧海です。
3人は、物語の主人公で、少年院を出所して保護観察中の不良・井口達也(倉 悠貴)が更生生活を送る土地で活動する暴走族「斬人」のメンバーを熱演。
初の映画出演ながら、持ち前の身体能力で本格的なアクションも見事にこなし、登場人物の多い本作の中でも存在感を放っています。
そこで今回は與那城奨、大平祥生、金城碧海の3人に、本作に出演が決まった時の意気込みや役作りへのこだわりだけでなく、主題歌に起用された楽曲「HIDEOUT」について、さらには役者としての今後の目標まで幅広く語ってもらいました。
実写映画初出演!3人の意気込み
――今作が実写映画初出演となるみなさん。撮影に向けての意気込みや事前にリサーチしたことを教えてください。
與那城:僕はめっちゃ(原作の)漫画を読みました。というのも、僕が演じた長嶋圭吾はあんまり喋らない役なので。どういうキャラクターなのか知るためにも、たくさん読み込みました。
大平:僕も同じです。まずは漫画を頼りに、目黒修也という人物がどういうキャラクターなのかを掴んでいきました。
さらに、僕は格闘技経験がないので、(アクションシーンに備えて)YouTubeでボクシングの初歩的な動きを調べて、1から頑張りました。
金城:僕も2人と同様に漫画をすごく読みました。
その上で、アクションや演技を練習する時間をスケジュールに組み込んでいただき、撮影に臨みました。
「びっくり」「オモロい」JO1他メンバーの反応
――激しいアクションシーンも多い本作ですが、こうした作品にみなさんが出演すると決まった時、他のメンバーはどんな反応でしたか?
大平:どうだったかな…? 僕のビジュアルを見て言ってたのが「びっくり」と「オモロい」です。
でも、(鶴房)汐恩とかは「合ってるじゃん!」みたいな。
與那城:メンバーによって反応が違いましたね。
でも、他のメンバーが高校生役でいろいろな作品に出ている中、僕たちも同じ高校生なんですよ。
(白岩)瑠姫がヒロインの頬に絵の具をつけている間、僕らは木刀振ってるっていう(笑)。「瑠姫の映画にそんな役いない?」とか言って。
大平:いや、世界線が全然違う(笑)。
與那城:「でも一応同い年役なんだよ」って、撮影が終わってメンバーのところに戻ったらいつも言ってました(笑)。
金城さんは直談判して『OUT』の現場に
――みなさんは実写映画初出演ですが、金城さんはドラマ『ドロップ』で品川組に参加経験があります。
事前に現場の雰囲気を大平さんや與那城さんに伝えたりしたんですか?
與那城:「アットホームな現場だよ」みたいなことは言ってたよね?
金城:そうそう。品川組に対して2人は怖いイメージを持っていて結構緊張してたので、一応経験者として「そんなに硬くなる必要ないよ」「優しいよ」みたいな感じで話をした覚えがあります。
與那城:品川監督とはオーディションと衣装合わせの時にお会いして、その次はもう撮影現場だったんです。映画の現場も初めてだったので緊張してたんですけど、めちゃくちゃ優しかったですね。
金城:今回の映画、2人はオーディションを受けてるんですけど、僕は自分で猛烈にアピールしたというか。2人のオーディションに僕も行ってみたっていう。
大平:マジでそんな感じだったよね。
與那城:だから、碧海は直談判してココにいるんですよ。
金城:品川さんにも「碧海くん、またいるやん」って笑われました(笑)。
でも、僕のそういう気持ちを品川さんが受け取ってくださって。そんな品川さんがカッコいいなって思いました。
――衣装合わせのお話が出ましたが、それぞれの役のビジュアルもインパクトがあります。衣装や髪型についての印象はいかがでしたか?
與那城:僕は撮影当日までこの髪型になるとは知らなかったんですよね。
大平:本当にこれで出るんだ!?ってならなかった?
與那城:なったなった。自分の中では原作にちょっと似せるくらいだろうと思ってたのが、ガッツリ寄ってて。
大平:僕も同じ感じでした。でも本当は、オールバックで帽子なしの予定だったんですよ。
それが、帽子をかぶった方が目黒っぽいってなって、監督やスタッフさんと話し合った上で今のスタイルになりました。
金城:僕が演じた沢村良は、2人とは違って原作とは全然ビジュアルが違っていて。
髪型を決める際に監督と原作を見てたんですけど、原作の中で髪型がいろいろ変わっいて、「どれが正解!?」ってなったんですよね。
なので品川さんと相談して、前髪があった方が僕のパーソナルな部分が引き立つんじゃないかっていうのと、当初は金髪のメッシュにする予定が、金髪系のキャラクターが多いからオリジナルで色を入れようっていうことで、このスタイルになったんです。自分でも結構気に入っています。
完成した映画を観て思ったこと
――完成した作品を観て、お互いのアクションや演技をどう思いましたか?
金城:最初に練習し出した時期のことを知っている分、当時を想像しながら完成した映画を観ると本当にすごいなと思います。
自分たち自身も成長したと思うんですけど、僕たちの動きをカッコよく撮ってくれる撮り方とか、そういう技術的な部分でも品川組のみなさんのすごさを感じました。
――確かにアクションしている間はどんな風に撮影されているのかはわからないですもんね。與那城さんや大平さんはどうですか?
與那城:いや、もう、祥生の上達ぶりが。初のアクションだったので、練習し始めた頃は僕や碧海も「祥生、それはたぶん違うと思う」とか言いながらやってたけど、いざ完成した映像を観たら本当にすごくてかなり頑張ったんだなって思いました。
大平:練習し始めた頃の僕、めっちゃ面白いんですよ(笑)。
與那城:今だから言えるけどね(笑)。
大平:なんとか形になってよかったです。
與那城:めちゃくちゃ頑張ってたもんね。
大平:僕は奨くんが(長田)拓郎くん(下原孝二役)と戦うシーンで、木刀がなくなって素手で戦う時にちょっとニヤッと笑うところ。あそこでスイッチが入った感じがめちゃくちゃ好きです。
あと、碧海は最初の登場シーン。登場人物が紹介されるシーンで、それぞれがラップに合わせて動くんですけど、そこでの碧海は動きがきれいすぎて若干引きました(笑)。
與那城:紹介のシーンでは、僕だったら“特攻隊長”とか祥生だったら“親衛隊長”とか肩書きっぽいのがあるんですけど、碧海は何もないっていうか“期待のルーキー”。
なのに、(手元にあった映画資料を見ながら)ルーキー、前に出過ぎじゃね!? このメインビジュアルを見た時、俺ちょっと笑っちゃったもん(笑)。
大平:奨くんより大きめだし。
金城:俺、2作目やから(笑)。
與那城:そういうこと!?(笑)
主題歌「HIDEOUT」について思うこと
――回を重ねるごとに大きくなっていくかもしれないですね(笑)。
そして、今作ではJO1が主題歌を担当。自分たちが出演している映画の主題歌を歌うこと、楽曲「HIDEOUT」について教えてください。
與那城:最初に「HIDEOUT」のデモを聴いた時、この曲がどのシーンで流れるんだ!?みたいになったんですよ。
デモに入っていた歌声が女性の方だったので、どういう感じになるのか想像がつかなくて……。
でも実際に映像で歌が流れるところを観たら、ドンピシャでした!
大平:この楽曲でよかったなって思ったよね。
なんか、映画のイメージ的にはもっと激しめっていうか、いかつくてカッコいい感じの曲なのかと思ったら、ちょっとオシャレで。
與那城:そのオシャレさがめっちゃ合ってる。
大平:ほのぼのするっていうか。戦いが終わった感じがして、この映画を締めくくるのにピッタリだなって思いました。
――金城さんは主題歌についてどんな印象を持っていますか?
金城:「HIDEOUT」のレコーディングは映画のクランクアップ後に行われたんです。
なので、僕たち3人はシーンとかストーリーを想像しながら歌うことができましたし、そのぶん思い入れも強いものに仕上がりました。
――今作で描かれるテーマの一つに“仲間”があります。自分にとって“仲間”はどういう存在ですか?
與那城:パッと思い浮かぶ存在と言えば、やっぱりJO1のメンバーになりますね。
家族みたいな存在ですし、JO1として活動していく上で必要不可欠ですし。僕たちがいるのは応援してくださるJAM(JO1のファンの呼称)のみなさんのおかげなので、その恩返しをするための仲間でもあります。
大平:僕もメンバーとJAM、そして僕たちを支えてくださっているスタッフさんたちですね。
大変なことがあってもお互い支え合って生きているので、誰が欠けてもいけない、自分にとってはみんな必要な存在です。
金城:もちろんメンバーもすごく大切な仲間なんですけど、同じ夢や目標を持っている者同士も仲間っていうか。
それこそ、今回の映画のキャストやスタッフのみなさんも、実際に会って話したり、撮影したりするのは数日の話だったりするんですが、いい作品を作りたい、エンターテインメントをより良くしたいっていうような目標や夢を持っている者同士だったので。
そういう意味では、同じ業界にいる人だけじゃなく、夢を持っている人みんなが仲間だと僕は思っています。
今後の目標
――今後演じてみたい役などはありますか?
與那城:いろんな役をやってみたいですけど……アクションはもう一度やりたいですね。それこそ『OUT』の続編とか。
もしあるのであれば、もっとしっかりアクションをやりたいです。
大平:僕もアクションはもっと頑張りたいです。
今回の映画で始めてみて、個人的にすごく楽しかったので。趣味としても続けたいし、今後またそういう仕事が来たら役に立つし。
なので、アクション作品をもう一度やってみたいっていう気持ちはあります。
金城:僕はアニメのキャラがやりたいです。
與那城:『クレヨンしんちゃん』とかいけそう。
大平:ポケモンとか?
――声優として? それとも実写版?
金城:実写がいいですね。
――やってみたいキャラクターとかあるんですか?
金城:『HUNTER×HUNTER』が好きなんですけど、その中に登場する……
與那城:ヒソカ?
金城:いや、ヒソカじゃなくて。えっと……最初の試験に出てくるうちの1人。
與那城:そんなんわかるかぁ!(笑)
金城:旅団っていうグループがいて、その中の強いヤツ。
與那城:もうちょっとピンとくる役やってくれよ(笑)。
金城:なんか、結構サブで重要視される役が好きなんですよね。
――今作で演じた沢村は、まさに金城さんの理想じゃないですか?
金城:そうなんですよ! ありがとうございます!って思いながら演じてました(笑)。
劇中では一触即発のヒリヒリとした表情を見せる3人でしたが、取材中は終始和やかなムード。笑顔で撮影時の様子を振り返ってくれました。
だからこそ、劇中で彼らが繰り広げる迫力のアクションシーンは、予想以上の暴れっぷりに新鮮な驚きがあります。3人の新たな魅力を目撃しに、ぜひ劇場に足を運んでみてください!
映画『OUT』
11月17日(金)全国劇場公開
(Medery./ 片貝 久美子)