【J1横浜FC】残留懸け神奈川ダービー 山根「条件はそろった」 井上「人生が変わる」

決戦に向け闘志を燃やす横浜FCの山根=20日、横浜市保土ケ谷区のLEOCトレーニングセンター

 今季最後の「神奈川ダービーマッチ」は、残留を懸けた直接対決だ。明治安田J1第33節の横浜FC―湘南は25日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われる。1チームのみが降格する今季も残り2試合を迎え、18位横浜FCと17位湘南との勝ち点差は2。第2節での対戦は2―2のドローで、互いにシーズン終盤にかけて状態は上向き。湘南が勝って残留を決めるか、横浜FCがひっくり返し、最終節まで持ち込むか。運命の一戦は午後2時キックオフ。

 崖っぷちである。横浜FCは試合に敗れ、16位柏の結果次第で1シーズンでの降格が決まる。「次の試合で人生が変わる」とボランチ井上。ただ、経験したことがないという重圧も力に変えている実感があるから、悲壮感とは無縁だ。

 8月の神戸戦以降は4勝2分け5敗(得失点差はプラス1)。前節鳥栖戦も3―1で快勝しており、状態は上向いている。攻守にアグレッシブな湘南との戦いに向け、セカンドボールへの意識付けを図ってきた。

 念頭にあるのはやはり、4戦5発と絶好調なFW大橋だ。「ゴールを決めている選手が分かりやすく一人いるので見逃さないように」と右WBの山根。井上も「ボニ(ンドカ)など強い選手を当てながら、ボランチの二人も挟み込む意識で対応したい」と策を練る。

 一方、ハイラインを敷く湘南は堅守速攻のスタイルと相性が良さそう。1トップのマルセロヒアンに、カプリーニ、小川はスピードがあり、離脱中の山下がゲームチェンジャーとして加わればなお明るい。「前の3枚は速いし、クオリティーもあるのでしっかり生かしたい」と山根。鳥栖戦同様、絶品クロスで得点機を演出するつもりだ。

 もう一つ、大きなアドバンテージがある。ホーム最終戦のチケットは全席完売。期待を背に、山根の言葉は熱を帯びる。「横浜FCにとってJ1残留は悲願でもあるし、成し遂げるための条件は揃った。勝って、みんなで喜びたい」

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