現役時代は6年連続でゴールデングラブ賞を受賞するなど守備の名手として知られた荒木雅博さん。引退後はコーチも務めていましたが今シーズン限りで退任しました。その荒木さんが元監督の森繁和さんとともにドラゴンズトークを繰り広げます。
中日全体のエラー数はリーグ4位の79
荒木雅博さん
荒木雅博さん:
「エラー数が79は多い。ビックリしましたね。僕は内野守備コーチを管轄していました。もちろん僕のせいとして、ちょっと気を付けて用心してくれればエラーにならないのに、というエラーが多かったですね」
中日全体のエラー数はリーグ4位の79。そのうち、セカンドとショートのエラー数はあわせて28。リーグワーストです。守備の中心となるはずの二遊間に若手の台頭を求めた今シーズンでしたが、勝負に直接結びつくエラーも多く、荒木さんは毎日、起用法に頭を悩ませたといいます。
荒木さん:
「今日ダメだったら明日もしかすると良いかもな、という考えもありました。今日ダメだから(明日も)行ってもダメでしょって考えもある。これは首脳陣の考え方一つ。この決め方が一番難しかったですね」
森繁和さん
森繁和さん:
「一人だけ飛びぬけて打つ、守備だけうまい選手がいたなら考えただろうけど。セカンドが固定できなかった。ショートの龍空もある程度打っていたら違ったけど、両方(打てない)となると難しい」
守備の乱れに続いて、森さんがあげた敗因の一つが外国人選手でした。
外国人の不振も敗因の一つ
立浪監督はアキーノに期待していた
森さん:
「やっぱり一番は外国人だろうな。立浪監督とキャンプ初日に話したけど、期待していたもんな」
荒木さん:
「(立浪監督は)アキーノには特に期待していましたね」
得点力アップがここ数年の中日の課題。その期待を一身に背負ったのがメジャー通算41発の助っ人・アキノー選手です。しかし、開幕から20試合でホームランはたったの1本。わずか1カ月で2軍落ちとなってしまいました。
森さん:
「(アキーノを)ライトで4番に固定して、センターラインは大体決まったって言っていたから、岡林がセンターで龍空がショート。セカンドは若い人たちでいいからと。アキーノ1つで全部が狂っちゃった」
さらに2人は、ビシエド選手の不振も響いたといいます。
ホームランを求めすぎて自分でバッティングを崩した
外国人の不振
荒木さん:
「年数も経ってきたし、年齢的なものも多分出てきているとは思います」
森さん:
「ホームランが少なかったから、どうしてもホームランを求めすぎて自分でバッティングを崩したところがある。アキーノがポンと4番に座ってある程度打ったら、ビシエドは変わっていたと思う」
厳しい戦いの中でも荒木さんは、ベンチの中で若手の成長を感じ取っていました。その選手とは…。
「細川がよくがんばった」と絶賛
「細川がいなかったらゾッとする」と語る
荒木さん:
「新しい選手だと細川がよくがんばったかな。前半は細川のバッティングで勝った試合ばかりだったので」
森さん:
「やっぱり細川がいなかったことを考えるとゾッとする」
荒木さん:
「まだまだこのぐらい(の成績)では(チームが)弱い中で出ているだけなので、優勝争い、Aクラス争いをしているチームの中で若い子が一人二人出て経験しているとまた変わると思う」
最後に来シーズン、巻き返しのための絶対条件を聞きました。
来シーズン巻き返しの絶対条件とは?
4番打者の固定が上位浮上の鍵に
森さん:
「補強的には打つことを考えないといけない。決めなきゃいけないのは4番でしょう。これは外国人に任せるなら外国人で構わないけど、そうではなかったら、どしっと座るまで使い切る。細川や石川など、その辺の軸になる人が決まってからでしょうね」
荒木さん:
「僕も4番は外国人の打者かなと思いますけどね。来年、再来年とやっていく中で、細川くんや昂弥が奪い取っていけば、ものすごい力になる」
打線の中心、4番を固定できなかった中日。来シーズンは誰が担うのか。上位浮上の鍵はそこにありそうですね。