「機動戦士ガンダム SEED FESTIVAL~CONNECT あの時代を超えて~」レポート!保志総一朗さんや田中理恵さんらの生朗読で物語を追体験

今回のイベントでは、劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」の新情報解禁に加え、これまでのシリーズ作品「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」の物語を振り返れるキャストの生朗読など、ファン垂涎の時間となっていた。

■出演者(敬称略)

保志総一朗(キラ・ヤマト役)
田中理恵(ラクス・クライン役)
石田彰(アスラン・ザラ役)
鈴村健一(シン・アスカ役)
下野紘(オルフェ・ラム・タオ役)
西川貴教(T.M.Revolution)
玉置成実

■キャストの生朗読で物語を追体験

イベントの前半では、キャスト陣による「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」の物語を振り返る生朗読が披露された。

「機動戦士ガンダム SEED」パートは、2003年に開催されたイベント「機動戦士ガンダム SEEDフェスティバル」で披露された朗読を一部抜粋したもの。シリーズ構成を担当し、2016年に亡くなった両澤千晶氏の書き下ろしだったそうだ。

「コズミック・イラ70。血のバレンタインの悲劇によって地球・プラント間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発展した。」というお馴染みのナレーションからはじまると、西川貴教さんがステージに現れ第1クールのオープニングを飾った「INVOKE -インヴォーク-」を熱唱。会場の熱気を高めたところで物語の振り返りへ。

序盤は石田彰さんが朗読を担当。戦場で再会したキラと殺し合いをしなければならなくなり、迷い苦しんだアスランの心情や切実さを表現して会場に集まったファンへ届けた。

続いて中盤へ移ると、田中理恵さんへバトンタッチ。キラとラクスの出会いや、囚われたアークエンジェルでキラがどんな境遇にあったのかを知った時、フリーダムガンダムを託す際の心境などが描かれた。

キラ役の保志総一朗さんが登場して、いよいよ終盤。物語を通してのキラの心情やラウ・ル・クルーゼの駆るプロヴィデンスガンダムとの最終決戦をメインに、「機動戦士ガンダム SEED」の結末までを追体験できる時間となった。

「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」パートは、シリーズの監督を務める福田己津央氏&両澤氏と共同で劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」の脚本を担当する後藤リウ氏による書き下ろし。後藤氏は角川スニーカー文庫より刊行の「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」のノベライズを執筆していたので、ご存じの方も多いことだろう。

こちらは家族を目の前で失ったシンの慟哭から幕を開けた。その後は鈴村健一さんが登場して、戦争を無くすために、何も奪われないためにと力を求めたシンの心境を主軸に物語を追いかけていく形に。

また、キャスト陣が代わる代わる登場して名シーンを再演する場面も。シンの駆るインパルスがフリーダムを撃破するエピソード「悪夢」の一連のシーンなどは、その殆どがこの場で体感できた。屈指の名場面だけに、聴き入っていたファンも多かったことだろう。

後半はキラやラクス、アスランも主軸となり、ギルバート・デュランダルの提唱した「デスティニープラン」へ対峙する心境を語っていった。

朗読が終了すると玉置成実さんがステージに現れ、「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」の第1クールエンディング「Reason」、「機動戦士ガンダム SEED」の第3クールオープニング「Believe」&第4クールオープニング「Realize」の3曲をメドレー形式で歌い上げた。

■西川さんが熱い歌声で「ignited -イグナイテッド-」「Meteor -ミーティア-」を披露

玉置さんのライブパートが終わると、キャスト陣によるトークパートへ。MCは「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」でヨップ・フォン・アラファス役を務めた吉田尚記さんで、自己紹介ではその件に触れ会場の笑いを取る一幕があった。

続いてキャスト陣が登場すると、まずは先ほどまでの朗読の感想を語ることに。保志さんは2003年当時の「機動戦士ガンダム SEEDフェスティバル」での感動が蘇った、自分の中にキラが息づいていたことに驚きがあったと話した。また、そんな保志さんの様子を見て、石田さんが変わらない、安心すると喜んでいたことも印象に残ったのではないだろうか。

田中さんは今回のイベント台本をチェックして、過去に演じたことを思い出したそうだ。当時のラクスを出せるか不安があったそうだが、その話を聞いた会場からは温かい拍手が響いた。

石田さんは、「当時の自分よりアップデートしているはずなので、演技が違っていてもそれは成長なんだと受け止めていた」と話した。当時より解釈の仕方が大人になったことで見えたものもあるようで、現時点でのベストを出せたと演技への自信も覗かせていた。

鈴村さんは「またキラを墜としてやりましたよ」と一言。あの「悪夢」の一連のシーンは鈴村さん自身も印象に残っているそうで、「演じる際に気合が入ってキラに対する憎々しさが増していたように思う」と振り返っていた。

キャストがいったん退場すると、再び西川さんがステージへ。「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」第1クールオープニングを飾った「ignited -イグナイテッド-」、「機動戦士ガンダム SEED」の名エピソードのひとつに数えられる「舞い降りる剣」などで流れる挿入歌「Meteor -ミーティア-」を続けざまに披露して、会場の空気をさらに熱くした。

歌い終わりで吉田さんと玉置さんもステージに現れ、アーティスト陣によるトークパートに。

西川さんは「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」に3話ずつ登場して死にましたと、自身の演じたミゲル・アイマン&ハイネ・ヴェステンフルを思い出させる自己紹介で会場の笑いを誘った。また、自身も劇場版を信じて20年戦ってきたと話すと、ファンのみなさんと自分たちは同胞であると熱い演説をぶち上げた。

玉置さんは「機動戦士ガンダム SEED」当時まだ14歳だったことを明かした。また、劇場版の情報を受け再びキラやラクスたちに会える喜びがあったこと、一から作品を見返して戦場に出て戦うキラたちの境遇を想い胸が苦しくなったことを話していた。

■劇場版の主題歌は西川貴教さんと小室哲哉さんのコラボ楽曲!

続いて「スペシャルナイト~時代を超えて舞い上がれフリーダム~」のコーナーが実施された。こちらはキャスト陣に劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」の意気込みを語ってもらうもので、ここからオルフェ役の下野紘さんもステージに登場。

下野さんは緊張した面持ちで、自身の声優としてのアニメデビューが「機動戦士ガンダム SEED」と同年だったことなど当時の思い出を語った。

「機動戦士ガンダム SEED」は実力派のキャスト陣が揃う憧れの作品だったそうだが、劇場版出演に際して作品を視聴したところ、血みどろでシリアスな戦いが繰り広げられており、当時のキラキラした憧れのイメージが変わった部分があった様子。

その後はメインビジュアルやストーリーを見ていった。すると、劇場版の物語開始時点でキラとアスランが別勢力所属であることが判明。「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」と所属勢力がよく変わっていたアスランにはやはり注目が集まった。これについて石田さんは、アスランは流浪の民なのだと擁護していた。

続いて、福田監督が各キャラクター&声優陣について語った映像が公開。これによって物語の軸がキラであること、今回のラクスは自分の意思や想いをハッキリ示すことなどが明らかに。

アスランについては、色々な意味でカッコよかったのでいかに落とそうかと考えていたのだとか。また、シンは「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」で闇の部分が描かれたが、今回はそんな彼の本来の性格である可愛い部分や素直な部分が描かれるそうだ。

オルフェは、監督から語られた「明るいキラ」というワードが印象に残るのではないだろうか。王子様のようなキャラクターだそうで、叫んでも既存のキャラクターに負けていないとの言葉も。

続いて福田監督からの映像を基にしたトークが展開され、ラクスの名前の由来がラテン語で湖を意味する言葉であることなどが判明した。

鈴村さんからは、PVで公開されたシンだけお辞儀をしていないかのようなシーンについての話題も。SNSなどでファンの反応はチェックしていたようで、シンは今思った感情のまま動いてしまう所があると思いつつ、彼のそういう部分を大事に演じたことを明かしてくれた。

トークがひと段落したところで、出来立てほやほやだという第4弾PVが解禁。映像では本作の主題歌が用いられており、その詳細も発表となった。楽曲名は「FREEDOM」で、歌唱は西川さんとなる。やはり「機動戦士ガンダム SEED」シリーズにこの歌声は欠かせないということで、会場から再びステージに現れた西川さんに温かな拍手が贈られた。

また、「FREEDOM」の作曲を担当するのはTM NETWORKの小室哲哉さん。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の主題歌「BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~」が思い出されるが、これは西川さんが「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」にどんな楽曲がふさわしいのか熟考を重ねてのオファーだったとのこと。

T.M.Revolution 西川貴教さん TM NETWORK 小室哲哉さん

ここで、そろそろイベント終了の時間に。出演者が順番に劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」への期待を高めるコメントを残し、最後に保志さんの「機動戦士ガンダム SEED!」の掛け声に「FREEDOM!」と返すコール&レスポンスを行って終幕となった。

なお、公開後のタイミングである2024年2月18日に、記念イベント「機動戦士ガンダム SEED FESTIVAL~FREEDOM 新たな未来へ~」が開催されることが明らかになっている。劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」とあわせて期待しておこう。

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