前社長の行為「インサイダーに該当」 日本製麻株の買い増し取引問題 特別委の調査報告書公表

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 日本製麻(神戸市中央区)は22日、主要株主のゴーゴーカレーグループ(金沢市)が今年7~8月に日本製麻株を買い増した取引について、日本製麻前社長の行為が「インサイダー取引に該当する可能性がある」とする特別調査委員会の報告書を公表した。

 関係者によると、前社長はゴーゴー社を創業し現在も会長の宮森宏和氏(49)。宮森氏は今年4月に日本製麻社長に就いたが、不合理な議事運営などを理由に8月21日付で解任された。現在は代表権のない取締役になっている。日本製麻は同月29日、インサイダー取引の疑いがあったとして外部の弁護士を委員長とする特別調査委を設置した。

 インサイダーが疑われたのは、ゴーゴー社が7月から宮森氏の解任日までに日本製麻株を取得した取引。報告書は、宮森氏はゴーゴー社の実質的経営者である可能性が高いとした上で、同氏が日本製麻の未公表の重要事実を把握しながら、同社の支配体制を維持強化するために株取得を実行したと指摘した。「取引は不用意極まりなく、上場会社役員としての資質を欠いている」と批判した。

 再発防止策として、役職員の法令順守の意識向上や、役職員による自社株売買の原則禁止などを提言。同社は「調査結果を真摯に受け止め、再発防止を図り今後の対応を検討していく」とした。(赤松沙和)

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