ダカールラリー2024のコースが発表。“48時間クロノ”を含む12ステージで合計距離は約8000km

 ダカールラリーの主催者であるASOアモリ・スポーツ・オーガニゼーションは11月20日、サウジアラビアで5度めの開催を数える第46回『ダカールラリー2024』のコースを公開した。

 W2RC世界ラリーレイド選手権のシーズンオープニングに位置づけられるダカールラリーの2024年大会は、1月5日(金)から同19日(金)まで丸2週間の日程での開催が予定されている。ステージは全部で12本、距離にして4727kmだ。ロードセクションを含めた総走行距離は7891kmに上る。

 5日に行われるプロローグのあと、翌6日に本格的な競技がスタートする2024年大会について、ラリーディレクターのデビッド・カステラは「5度めのサウジアラビア大会を中東でのレース開催以来、人とマシンにとって“もっとも厳しい大会にする”という覚悟を決めた」とプレゼンテーションの場で語った。

 そんなラリーの前半戦はスタート地である北西部のアル・ウラから南東に進路をとり、アル・ヘナキヤ、アル・ダワディミ、アル・サラミヤ、アル・ホフフという各地域に設定されたビバークを訪れていく。なお、アル・ダワディミ、アル・サラミヤ間のステージ3(1月8日)と直後のステージ4(9日)は、チームメカニックによる作業が2時間に制限される“マラソンステージ”となっている。

 ラリーの前半戦にはさらに厳しい試練が待ち受ける。それは今大会初めて行われる“48時間クロノ”と呼ばれるもので、競技者たちは世界最大級の砂漠地帯エンプティクォーターを二日間(11~12日)かけて走破する。

 このステージ6の初日は現地16時に走行が打ち切られ、到達地点に応じてステージの途中に用意された6つのビバークのいずれかで夜を越さなければならない。この間、選手たちはメカニックのサポートが受けられないばかりか、チームメイトや同メーカーのマシンを走らせる選手と宿泊地が異なればパーツの貸し借りといった相互援助も不可能に。そのためマラソンステージと同様に極力マシンを壊さないドライビングが求められる。

 そんな48時間クロノ明けの13日は移動兼休息日。首都リヤドでつかの間の休息をとることができる。14日からの後半戦はアル・ダワディミ、ハイルを経てアル・ウラへと戻り、17日はアル・ウラを起点とするループステージが今大会10本目のステージとして行われる。

 最終盤はアル・ウラからフィニッシュ地点の紅海に面するヤンブーに続くステージ11が行われ、最終日の19日はヤンブーのループステージで長い戦いの幕が閉じられる。

 世界ラリーレイド選手権の“シーズン3”開幕戦となる今大会には137台のバイクと10台のクワッドが参加予定だ。アウディ、トヨタ、フォード、プロドライブなどのアルティメットカー(T1およびT2)は計72台、この他チャレンジャーカー(T3)が42台、サイド・バイ・サイド・ビークル(SSV/T4)が36台、さらに46台のカミオン(トラック/T5)がエントリーリストに名を連ねている。

2024年のダカールラリーもサウジアラビアでの一国開催となる
11月20日に公開された第46回『ダカールラリー2024』のコースイメージ
ラリージャパン2023のスペシャルデモランで走行を披露した、トヨタオートボデーのランドクルーザー300 GRスポーツ2024年仕様
ナッサー・レーシングのプロドライブ・ハンターT1+
『GRダカールハイラックスT1+』で2024年のダカールラリーに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの選手たち。(左から)デニス・ゼンツ、セス・キンテロ、ルーカス・モラエス、アルマンド・モンレオン
アウディRS Q e-tron E2のテストは2023年5月にサウジアラビアで実施された
2024年のダカールラリーに投入されるフォード・レンジャーT1+

© 株式会社三栄