将棋の全八冠を保持する藤井聡太王将(21)への挑戦権を懸けた第73期王将戦挑戦者決定リーグ最終局は22日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、菅井竜也八段(31)=岡山市=が近藤誠也七段(27)を115手で下した。通算5勝1敗として単独首位となり、初の王将挑戦を決めた。藤井王将との7番勝負は来年1月7、8日に栃木県で第1局がある。
先手の菅井八段は三間飛車を選択し、居飛車の相手と対抗形となった。中盤までの膠着(こうちゃく)状態から一転し、終盤は激しく攻め合った。菅井八段は一時劣勢に立たされながらも猛攻をしのぎ切り、形勢を逆転した。
7人で争うリーグは最終局まで3人に挑戦者の可能性が残る大混戦だった。初出場で挑戦権を手にした菅井八段は「負けかなと思う局面もあった。王将戦では、応援してもらっている岡山の人たちのためにも結果にこだわる。相当頑張らないといけないが力を振り絞りたい」と話した。
2017年に王位を獲得した菅井八段がタイトル戦に臨むのは今年4、5月の叡王戦に続いて4度目。同棋戦では藤井王将に1勝3敗で屈した。10月11日に史上初の全八冠を独占した藤井王将にとっては王将戦が年明け最初の防衛戦となる。