【MLB】Dバックス、マリナーズからベネズエラ代表スアレスを獲得 弱点の三塁強化か

写真:Dバックス移籍が報じられたスアレス

日本時間23日早朝、ダイヤモンドバックスとマリナーズの間でトレードが成立したことが報じられた。Dバックスが三塁手のエウへニオ・スアレスを獲得し、対価として救援投手のカルロス・バルガスと捕手のセビー・ザバラを放出した。

スアレスは現在32歳。2014年にタイガースでメジャーデビューを果たした後2015年にはレッズへ移籍して才能が開花した。2016年以降は短縮シーズンの2020年を除いて毎年20本塁打以上を放っており、2019年にはリーグ2位となる49本塁打、OPS.930とキャリア最高の打撃成績を残している。

まさに主砲と言える活躍を見せていたスアレスだが、2021年に不調に陥ったことや、レッズが資金面の問題で再建に入ったことなどが重なって2022年3月にマリナーズへトレードとなった。マリナーズでは打者不利の環境ながら2年連続で20本塁打以上を放っており、打力にはそれほど衰えを見せていない。

スアレスはレッズ時代の2018年に2024年までの7年契約を結んでおり、2025年の契約は球団側に選択権がある。金額としてはそれぞれ1100万ドル、1500万ドルであり、スアレス級の選手を2年保有する対価としては破格の金額だろう。三塁に大きな課題を抱えていたDバックスとしては願ってもかなってもない形で正三塁手を獲得できたといえる。

また、Dバックスが放出した対価を見ても、今回のトレードはDバックスに分があるように思える。バルガスは昨オフにガーディアンズから移籍したものの、制球難の影響でマイナーですら思うような成績を残せていない。ザバラに至っては今季途中にホワイトソックスがDFAしたところをウェーバー経由で獲得している。

つまり、Dバックスはほとんど対価らしい対価を出さずに弱点の三塁にレギュラークラスを加えることができたと言える。

反面マリナーズはチーム年俸を抑えつつ、チーム内のデプスを強化する狙いがあったようだ。また、USAトゥデイのボブ・ナイチンゲール記者によれば、マリナーズのジェリー・ディポト野球運営部門社長はザバラの守備力を高く評価しており、トレードを成立させるにあたって最大のポイントとなっていたようだ。

また、スアレスを放出したことでマリナーズは新たな正三塁手を加えるねらいがあるのかもしれない。現在のFA市場にはマット・チャップマンやジェイマー・キャンデラリオら有力な三塁手がいる。彼らを獲得するための布石という可能性もある。

© 株式会社SPOTV JAPAN