マリナーズがスアレス放出で2選手獲得 このトレードの狙いは?

日本時間11月23日、マリナーズは正三塁手のエウヘニオ・スアレスをダイヤモンドバックスへ放出し、トレードの対価としてセビー・ザバラとカルロス・バルガスの2選手を獲得した。直近2シーズンで53本塁打、183打点をマークしている強打の正三塁手を放出したにもかかわらず、対価はそれほど大きくない。いったいジェリー・ディポート編成本部長の狙いは何なのか。MLB公式サイトでマリナーズを担当するダニエル・クレーマー記者が分析している。

今オフのマリナーズは「三振を減らしてコンタクト能力の高い打者を揃える」という方針を明確にしている。今季26本塁打、93打点を記録したテオスカー・ヘルナンデスはリーグワースト2位の211三振を喫しており、マリナーズがクオリファイング・オファーを出さなかったのはそれが理由だと言われている。スアレスはヘルナンデスを上回る214三振を記録。三振を減らしたいマリナーズにとっては、ヘルナンデスとともに放出したい選手の1人だったのだろう。

また、スアレスの放出により、来季のペイロールから1100万ドルを削減することもできた。2025年の球団オプション1500万ドル(またはバイアウト200万ドル)もマリナーズに支払う義務はない。そして、クレーマー記者が関係者から得た情報によると、マリナーズは先日トレードで獲得したルイス・ウリアスを正三塁手として起用する方針だという。マリナーズは2021年に23本塁打を放った実績のある26歳のウリアスに期待をかけているというわけだ。

マリナーズが獲得したザバラは30歳の捕手で、今季はホワイトソックスとダイヤモンドバックスで合計73試合に出場して打率.171、7本塁打、18打点、OPS.544を記録。マリナーズは控え捕手のトム・マーフィーがFAとなっており、来季はザバラが控え捕手を務めることになりそうだ。

一方のバルガスは今季メジャーデビューしたばかりの24歳の右腕で、5試合に登板して防御率5.79。マイナーAAA級では38試合に登板したが、1勝1敗2セーブ、4ホールド、防御率7.02に終わった。最速101マイルに達するパワーピッチャーであり、投手育成に定評のあるマリナーズがどのように扱うか注目される。

ディポート編成本部長は「セビーとカルロスの加入で選手層がさらに厚くなる」と今回のトレードの狙いを説明。スアレスに代わる正三塁手にはウリアスを確保しており、マーフィーに代わる控え捕手の補強も完了。スアレス放出で浮いた予算を活用し、最大の補強ポイントである強打者の獲得を狙う可能性もありそうだ。

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