ガラスペンとなかよくなる|『ガラスペンとインクでなぞる四季色ノスタルジー』

ガラスペンの描き味やインクの奥深い世界を人気イラストレーターますこえりさんのイラストで存分に味わうなぞり描き本『ガラスペンとインクでなぞる 四季色ノスタルジー』。
ガラスペンとお好みのインクで、ますこえりさんのどこか懐かしくてノスタルジックなイラストや文字をなぞり、あなただけのイラストを仕上げます。インクが好き、文具好き、紙好きさんのための、とことん「手描き」を楽しむための1冊です。
本書から、ガラスペンの扱い方を紹介します。監修は筆記具コレクターゆきさんです。ガラスペン初心者の方はぜひ参考にしてください。

ガラスペンについて

ガラスペンとは、ガラス製のペン先に直接インクをつけて使う筆記具のこと。
デザインや形状はさまざまですが、どれもガラス製のため、使うときは丁寧に、大切に扱いましょう。
ガラスペンとなかよくなるために、知っておきたい基本的な特徴と使い方をレクチャーします。

ペン先

ガラス製で、ペン先に直接インクをつけて使います。かたいものに当たると割れることもあるので、持ち歩くときはゴム製のキャップで保護します。

キャップを外すときは強く引っ張らず、爪で軽く押し上げて、ゆるめたあとゆっくり外します。
*ゴム製のキャップは購入時についてくることが多い。

軸もガラス製が基本。色のついたものや模様が入っているもののほか、長さや形状もさまざま。軸はガラス製のほか、木製や竹製、プラスチック製のものもあります。

持ち方について

持ち方はボールペンや万年筆と同じ。ペン先を少し寝かせるようにして、ペン先に近い位置を握ります。ペン先からあまり離れた位置で持つと、ペン先に負荷がかかり、折れてしまうこともあるので注意しましょう。

ペン先の太さについて

ペン先は大きく分けて「中字」と「細字」があります。初めて使う人は、ペン先に安定感のある中字がおすすめです。細字は繊細な線を描くのに適していますが、紙質や力加減によってはペン先が傷つくこともあるので、扱いに慣れてから使うと○。

細字のペン先

細字はやや先端が細長く、尖っている。

中字のペン

中字は細字に比べて先端が少し短くて太い。

集めたくなる素敵なガラスペンコレクション

ガラスペンは大きく分けて、ガラス工房で手作りされているものと、メーカーより販売されているものの2種類があります。それぞれ微妙に風合いや書き味が違うので、試筆してから購入するのがおすすめ。
以下は本書の監修であるゆきさんおすすめのガラスペンです。選ぶときの参考にしてみてください。

ガラス工房もの

すべて作家手作りの1点もの。工房や文具イベントでの予約販売、直接購入が基本です。
価格は1万円以上するものもありますが、デザイン、書き心地、その他細部にわたって、こだわり抜かれています。運命の1本に出会ったらぜひ手に入れて。

【Color 硬質ガラスペン】

ガラス工房 スタジオ嘉硝(かしょう)

福井県にあるガラス工房。ガラス作家、田嶋嘉隆氏が手がけるガラスペンは、見た目の美しさはさることながら、書き味も滑らかで実用性も兼ね備えた逸品です。ペン先近くの軸がくぼんでいるので持ちやすいのもポイント。

【流水ショート】

HASE 硝子工房

埼玉県坂戸市にある工房。ガラス作家の長谷川尚宏氏が手がけるガラスペンは、軸のデザインやカラーリング、字幅の豊富さだけでなく、ペン先の角を極限まで減らすなど、描き心地にもこだわり抜かれた名品です。

【灯す】

ガラス工房 aun

岡山県倉敷・美観地区にある工房。ガラスアーティスト江田明裕氏が手がけるガラスペン。「灯す」シリーズは、キャンドルに灯りがついてるイメージの作品です。字幅の展開も極細、細、中細、中、太、極太、超極太と豊富。どれも驚くほどなめらかな描き味です。

メーカーもの

メーカーオリジナルのものや、メーカーを通じて購入が可能なガラスペンです。
オンラインでの購入が可能で、価格帯も手頃なものが揃っています。とはいえガラス工房ものと同様、プロの職人が制作するものなので、同じ製品でも微妙に書き心地は違います。

【シンプルガラスペン 虹色】

The Neon

ガラス細工製作歴15年以上のプロの職人が制作。クリアでシンプルな軸の先には、アクセントとしてガラスの色玉が。色玉は写真の青のほか、赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、紫、白の全7色。ひょうたん形のペンレストもセットでついています。

【毎日使いたいガラスペンBRIDE/GROOM】

ハリオサイエンス

ビーカー・フラスコを製造する耐熱ガラスメーカーのガラスペン。BRIDE=花嫁(写真上)とGROOM=花婿(写真下)という名称で、パートナーへのプレゼントやペア使いにもおすすめです。2020年日本文具大賞デザイン部門グランプリ受賞。

【ガラスペン らせん】

エルバン

パリ生まれのインクとシーリングワックスの老舗ブランド、エルバンが手がけるガラスペン。「らせん」シリーズはその名のとおり、らせん状の優雅なデザインが施されています。軸は持ちやすい太さのストレートタイプで、全4色展開。

*商品の情報は2023年5月時点のものです。

【書誌情報】 『ガラスペンとインクでなぞる 四季色ノスタルジー』 ますこえり:画、ゆき:ガラスペン監修

人気イラストレーターますこえりさんのイラストが存分に味わえるなぞり描き本。ガラスペンとお好みのインクで、ますこえりさんのどこか懐かしくてノスタルジックな描きおろしイラストや文字をなぞる、とことん「手描き」を楽しむための一冊です。

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