3台斬りの衝撃/連覇を阻んだ日本の罠/ひと足早いクリスマス?etc.【ラリージャパンTop 5 Moments】

 毎戦ドラマチックな展開が待っており目が離せないWRC世界ラリー選手権。日本からはトヨタが参戦している同シリーズの人気公式動画『Top 5 Moments』の最新作がWRC公式Youtubeチャンネル(https://www.youtube.com/@wrc)で公開された。今回の内容は11月16~19日に愛知県と岐阜県で開催されたWRC第13戦『ラリージャパン』を振り返るものだ。

『Top 5 Moments』とは、WRCが各ラウンドの終了後に投稿する動画のひとつで、対象となるイベントにおける5つの印象的シーンを紹介するもの。今作のトップバッターはラリージャパンのMVPと言っても過言ではない活躍を見せた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)のクラッシュとその後の力走だ。

 勝田は大雨のなか行われた金曜日のSS2“イセガミトンネル1”でスピンを喫し、マシンフロント部にダメージを負ってしまう。しかし直後のリエゾン(移動区間)で壊れたラジエーターと足回りに応急措置を施してサービスパークに戻ると、修復されたマシンで同日午後から怒涛の追い上げを開始。最終的に10回のステージウインを飾り総合5位フィニッシュを飾った。

 勝田がクラッシュしてしまったSS2の11.6km地点は、彼曰く事前の下見(レッキ)で確認した状況とはまるで異なっていたといい、それが災いしてダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)とアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)がまったく同じ場所でコントロールを失い、同じようにコース脇の沢に転落した。このリプレイシーンがふたつめの“Moments”に選ばれている。直後の3つめは、首位と10.6秒の2番手につけていたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)の手痛いミスだ。大会2連覇を目指していたベルギー人ドライバーは道路を横切る排水用のグレーチングに足を取られ、SS6“イナブダム2”のスタート地点からわずか100mほどの場所で立ち木にクラッシュしてしまった。

 晴天のもと開幕したラリージャパンは翌日のデイ2で大雨に。その後も霧やにわか雨など変わりやすい天気に翻弄されたが、4つめのシーンに選ばれた最終日“ネノウエコウゲン1/2”での雪景色まで予想できた人は少なかったはず。霙(みぞれ)が降るなか走行したオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)からはひと月ほど早い「ハッピー・クリスマス」とのコメントも。

 最後は通算8勝目、今季3度めの勝利でTOYOTA GAZOO Racing WRTの日本でのワン・ツー・スリー・フィニッシュに貢献したエバンスの優勝シーンが収められている公式動画は、前述のとおりWRC公式Youtubeチャンネルで視聴することができる。

前夜に降った雪がコース脇に残った根の上高原SS。勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は同地で行われたSS18で最速タイムを記録し、再走ステージのSS21で今大会10回めのステージウインを飾った。 2023年WRC第13戦ラリージャパン

■Top 5 Moments | WRC FORUM8 Rally Japan 2023

https://youtu.be/KP9yLXe9wak

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