寒立馬追った写真が最高賞に 瓜田さん(青森・つがる市) 国内有数規模の「ニッコールフォトコン」

長岡賞に輝いた瓜田さんの組み写真作品「アタカの冬」(ニコンイメージングジャパン提供)

 ニコンイメージングジャパン(本社東京)は、「第71回ニッコールフォトコンテスト」の最高賞となる「長岡賞」に、青森県つがる市の瓜田英司さん(49)の組み写真作品「アタカの冬」を選んだ。瓜田さんは東通村の越冬放牧地「アタカ」で過ごす寒立馬(かんだちめ)が、厳寒の冬をたくましく生きる様子を切り取り、応募総数2万2974点の頂点に立った。「うれしいし、まさか自分がという思い。今後の活動の励みになる」と喜びを語る。

 同コンテストは1953年に開始。国内でも有数の規模と歴史を誇り、プロ、アマチュアの枠を超えたコンテストとして注目度が高い。モノクロームやネーチャーなど4部門があり、各部門の大賞の中から長岡賞を選び、17日に公表した。「アタカの冬」はネーチャー部門の大賞だった。

 6年ほど前から本格的に写真撮影を始めた瓜田さん。自営業の傍ら、県内を中心に野鳥やキツネ、カモシカなどの野生動物を被写体に追い求めている。

 同コンテストは入選した昨年に続き2回目の挑戦。今年1月中旬、初めてアタカを訪れたところ、じっと寒さに耐える寒立馬の姿に引かれ「納得できる写真を撮りたいと考えた」という。

 以降は春先まで計13日間、現地に足を運んだ。雪の降り具合や馬の動きを見極めながら、きりっとした馬の表情、吹雪の風景などを収めた。他の見学客がいる中、馬に警戒心を抱かせず自然のままの状態で撮影するのに苦労したという。撮影枚数が1日で5千枚に上ることもあった。

 「全日本写真展2022」で銅賞、「県展2023」写真部門で特選などの受賞歴があるが、「今回は注目度が大きいコンテストなので、うれしさが違う」と瓜田さん。「今後はどんどん写真展に挑戦していきたい。青森県全体の写真文化向上にも貢献できれば」と話している。

© 株式会社東奥日報社