山下美夢有と申ジエは「69」 同組で“バチバチ”の女王争い

3番でガードバンカーからカップインさせ、バンザ~イ(撮影/村上航)

◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 初日(23日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6497yd(パー72)◇晴れ(観衆2069人)

大会初日は年間女王を決めるメルセデスランキングの順位で2サムのペアリングが決まる最終戦。1位に立つ山下美夢有と2位の申ジエは最終組でティオフした。女王の座をかけたラストゲームは、1番でグリーン奥ラフからチップインバーディを奪った山下が先にスコアを動かした。

「(アプローチは)強く入っちゃって。グリーンの傾斜でうまく入ってくれたのでラッキーでした」。カップインしなければ、ピンを大きくオーバーしたはずの一打は歓声に変わった。、3番でもグリーン左手前からのバンカーショットを放り込んで、またバーディ。「パーを取れればとか思っていたので、まさか入るとは」と思わず松村卓キャディと大きくバンザイした。

相乗効果で互いが力を引き出した(撮影/村上航)

最終的に4バーディ、1ボギーの「69」。フェアウェイキープは14ホール中9ホール(64.2%)。「ショットが結構ブレていて、本当にきょうは良くなかった。ショートゲームに助けられました」。序盤で2つの“スーパーバーディ”があったものの、納得いくゴルフにはほど遠く、悩みながらのラウンドだった。それでも、申との “2サム直接対決”は「一緒に回らせてもらって、私自身、気持ちが入った。すごく楽しく回れたのは大きいです」と表情を明るくした。

“逆転女王”へ2打差4位は悪くない(撮影/村上航)

一方、申は、山下の好プレーを目の当たりにしても焦らなかった。「いいプレーを見ると私もすごくいいイメージをもらえるので、いい雰囲気をもらって私もいいプレーができた」と山下と同じ「69」で回った。3番で山下がバンカーから放り込んだ後、6mを決めて最初のバーディを奪うなど、自分のリズムを崩さなかった。

「きょうはまだ初日だけど、最終日みたいな緊張感を最初から持てている感じがする。一緒に回ったのがよかった。自分のスタイル通りにプレーできるように頑張ったし、きょうは私も一緒に成長できた。良い初日でした」。あす2日目も2人は同組で、午前10時46分にティオフする。

白熱の最終戦が始まった(撮影/村上航)

ホールアウト後、山下は最後まで練習グリーンで居残った。夕暮れが迫る午後4時20分に鈴木愛、その数分後にメルセデスランキング3位の岩井明愛と双子の妹・千怜が練習を終えても、松村キャディ、コーチの父・勝臣さんの前でボールを打ち続けた。白熱の戦いの火ぶたが切られた。(宮崎市/石井操)

明日も同組2サムでプレーする(撮影/村上航)

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