【京都2歳S/全頭診断】人気一角に「8.3.1.1」 当舞台向きの機動力と決め手を完備

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今週は京都競馬場で、第10回京都2歳S(GIII、芝2000m)が行われる。キャリアの浅い2歳馬同士のレースゆえ、近年は波乱傾向にある一戦。京都開催の今年も一筋縄ではいかないだろう。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬14頭の全頭診断を行う。

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■京都2歳ステークス2023 出走予定馬全頭診断

・オールナット

2人気に支持された新馬戦は鮮やかな逃げ切り勝ち。スロー逃げが向いたのは確かだが、終始余裕の手応えで最後までノーステッキ……しっかり追えばまだまだ伸びたはずだ。当時が道悪ゆえ今回は一気に時計を縮める必要があるものの、軽くは扱えない。

・カズゴルティス

スロー逃げでそのまま押し切った前走だが、ラスト3Fは11秒5-11秒6-12秒1とゴールに向かうにつれて失速。ここは同型馬が多く、当時の再現を望むのは酷に映る。

・ギャンブルルーム

新馬戦のパフォーマンスから2人気に支持された前走札幌2歳S。結果は勝ち馬と1秒以上離された3着だったが、洋芝適性と道悪適性両方が皆無だったと捉えれば情状酌量の余地はあるかもしれない。ただ、今回も直線の長いコースではなく、器用さが求められる京都芝2000mが舞台。個人的にはダート路線で無双する可能性を秘めている馬だと思っており、ここは押さえ程度が妥当か。

・キープカルム

当舞台で勝利を挙げた前走。レースレベルとしてはさほど強調できるものではなかったものの、舞台適性を証明した点は注目すべきだろう。何らかの印は必要か。

・コスモエスメラルダ

出走馬唯一の牝馬。前走の勝ち時計は平凡で、ここは厳しい戦いが予想される。

・コスモキュランダ

未勝利脱出までの4戦を要した馬。苦戦は免れられないか。

・サトノシュトラーセ

デビュー2戦目で勝ち上がりを決めた前走。メンバーに恵まれた感はあったものの、2番手追走から次位に0秒5差をつける上がり3F最速をマークしており、当舞台向きの機動力と決め手を兼ね備えている1頭だ。鞍上の川田将雅は2023年の京都芝2000m成績が【8-3-1-1】馬券内率は驚異の90%超え。多頭数の経験がない点はマイナスも、ノーマークにはできない。

・シンエンペラー

好スタートから道中は控え、直線は上がり3F33秒8の脚で快勝。新馬戦は文句のつけようのない内容と言えたが、直線で追い出されてからフラフラする場面が目立ったのは気がかり。コーナー4つの条件への対応も未知数で、能力を認めつつ慎重な評価を下したいところだ。

・ダノンデサイル

前走は上位3頭がすべて4角3番手以内の前残り決着。上がり3Fも平凡で、強調材料は乏しい。

・ディスペランツァ

前走の勝ち時計は前日の新馬戦に0秒7劣るもの。重賞即通用は至難の業と言えそうだ。

・パワーホール

この馬で強調したいのは過去2戦のラスト3F。新馬戦のラスト3Fが12秒2-11秒2-11秒1の加速ラップに対して、前走札幌2歳Sは11秒6-12秒0-12秒9。まったく異なるラップにもかかわらず2着を確保した。走破時計は平凡だが、開催最終週の京都芝なら極端に時計が速くなることはないはず。舞台替わりでも軽視禁物だ。

・プレリュードシチー

ハービンジャー×メイショウサムソンの血統から想像できないような切れ味を秘めた馬。2戦とも控える競馬で連対を確保した点は評価できるし、ヒモ穴候補の1頭としてケアしたい。

・ホウオウプロサンゲ

先手を奪って上がり3F33秒2を計時した前走。普通なら逃げ切っている競馬だが、勝ち馬に上がり3F32秒7を使われては仕方ないだろう。小回りコースは2走前に小倉芝1800mを中団から上がり3F最速で勝利。叩かれた上積みを考えたとき、評価を上げたい1頭だ。

・ルカランフィースト

上がり3F33秒6の脚で突き抜けた前走だが、当時は上位3頭がすべて4角3番手以内。軽い芝の東京→開催最終週でタフな京都芝替わりかつ初の関西圏と、克服すべき課題は多い。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月23日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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