【京阪杯/全頭診断】「3.0.0.0」条件発動の穴馬 トウシンマカオは“バッサリ切る”選択肢も

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今週は京都競馬場で、第68回京阪杯(GIII、芝1200m)が行われる。確たる軸馬不在で混戦ムードが漂う一戦。大波乱の可能性も考えたいスプリント戦だ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

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■京阪杯2023 出走予定馬全頭診断

・ヴァトレニ

ローカル開催を除く重賞では【0.0.0.3】掲示板内ゼロ。ここもクラスの壁がありそうだ。

・エイシンスポッター

道中10番手以下がデフォルトの極端な差し追込馬。その脚は急坂コースだと鈍る傾向にあるが、右回りの直線平坦コースでは【3.0.0.0】と素晴らしい成績を残している。得意の平坦替わりで臨むここは軽視禁物だ。

・エクセトラ

前走はロスなく運べたものの、フタ桁着順と惨敗。もう少しクラス慣れが必要だろう。

・キミワクイーン

3走前の函館スプリントSは差す競馬で勝利。そこから戦法が決まった感があるものの、近走はあまりにもテンのダッシュ力が鈍い。例年より逃げ先行馬が少ない印象にあるここは厳しい戦いが予想される。

・グルーヴィット

7歳を迎えてさすがにピークアウトしてしまったか。厳しい。

・グレイトゲイナー

フタ桁人気で激走を続ける近走だが、走破時計は強調できるものではない。再度の好走を望むのは酷に映る。

・シュバルツカイザー

大きな不利や距離ロスもなく運んだ前走みちのくS。勝ち時計も含めてレベルに疑問が残った一戦だけに、馬券内を確保できなかったのは不満が残る。好走は洋芝に集中しており、京都替わりがプラスに働くとは思えない。

・ジュビリーヘッド

近2走で先着を許した馬が複数出走する今回。昨年10着に敗れたレースでもあり、変わり身は望み薄か。

・ショウナンハクラク

この馬の取捨は馬場コンディションで判断するのがベター。稍重-重馬場の成績【0.0.0.5】に対し、良馬場では【4.0.2.5】。切れ味が活きる馬場でこそ真価を発揮するタイプだ。前走は進路を確保してからものすごい伸び脚での快勝。昇級戦でも侮れない。

・シングザットソング

初の芝1200mで変わり身をみせた前走。終始インにこだわった鞍上の好騎乗が光った一戦だった。とはいえ当時は雨降りしきる条件で、走破時計も強調できるものではない。ハマッた感の強いレースである可能性は高く、押さえ程度が妥当か。

・スマートリアン

休み明けの前走は後方のまま見せ場なく惨敗。3走前勝利時の走破時計も平凡で、ここは様子見が妥当か。

・ディヴィナシオン

2走前の3着には驚かされたが、ローカルの前走はあっさり掲示板外に。マイナス14キロと馬体重を大幅に減らしたレースを経て迎える今回だけに、強調材料は乏しい。

・トウシンマカオ

昨年のこのレース勝ち馬。当時は外枠から差し切る形だったが、近走を見るより前めの位置から粘り込むスタイルに転じつつあるようだ。1200m替わりは歓迎と言えるが、全4勝中3勝が直線急坂コース。斤量58キロ以上の成績【0.0.1.2】も気がかりで、枠順次第ではバッサリ切る選択肢も浮上する。

・トゥラヴェスーラ

後方待機の脚質が示すとおり、常に展開待ちの馬。ここは逃げ先行馬がさほど多くなく、連対圏突入へのハードルは高い。

・バンデルオーラ

オープンクラスの壁にぶつかっている現状。厳しい。

・ビッグシーザー

春までの安定感がウソのように近走は惨敗続き。全4勝中3勝が急坂コースという馬でもあり、古馬相手に通用の可能性を示していないことから評価を上げるには躊躇してしまう。

・モズメイメイ

芝で惨敗が続いたのち、ダートに転じた前走も適性を示すことはできず。間隔の詰まったローテーションで臨む今回の勝負気配には疑問が残る。

・ルガル

前走はスタートで痛恨の出遅れ。勝ち馬が逃げ切り、2着馬が先団から粘り込んだレースだけに普通に走れば馬券内は堅かっただろう。当距離は1分7秒2の持ち時計があり、不良馬場での圧勝歴が示すように馬場不問のタイプ。距離短縮ローテの成績【1.2.0.0】も含め、好枠を引き当てることができれば中心視も考えたい1頭だ。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月23日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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