【ジャパンC/全頭診断】「4.0.1.0」の想定8人気以下にヒモ穴妙味 “連対率87%”該当馬も一発狙う

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今週は東京競馬場で、第43回ジャパンC(GI、芝2400m)が行われる。外国馬の参戦は1頭にとどまったが、日本を代表するスターホースが勢揃いの今年。雌雄を決する戦いにふさわしい豪華メンバーが秋の府中に相まみえる。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

◆【ジャパンカップ2023予想/枠順】1枠2頭は盤石か。「0.0.1.26」の“鬼門データ”該当は……

■ジャパンカップ2023 出走予定馬全頭診断

・1枠1番 リバティアイランド

牝馬三冠馬がジャパンカップに参戦。かつてはジェンティルドンナ、アーモンドアイが勢いそのままに勝利を収めており、3歳牝馬のポテンシャルを軽く扱うことはできない。ウッドでの最終追い切りは馬なりでラスト2Fめが11秒2、ラスト1Fは11秒0。阪神JF、オークスと同じレース間隔で臨める点に加えて状態面の上積み、斤量54キロならイクイノックスと互角の勝負になりそうだ。

・1枠2番 イクイノックス

日本を飛び越え、世界最強の称号を手にした現役最強馬。軽く仕掛けられただけでレコード勝ちの前走天皇賞・秋はその称号に恥じない圧巻のレースぶりだった。過去10年のジャパンカップにおいて、前走天皇賞・秋かつ前年秋にGI勝利の4歳馬は【4.1.0.0】。この馬自身最短のレース間隔で臨む点が数少ない不安材料と言えるが、それでも大崩れするシーンは想像しにくい。

・2枠3番 タイトルホルダー

昨年はGIを連勝、凱旋門賞にも参戦した馬。それを思うと今年のパフォーマンスはやや物足りない印象だが、有馬記念は凱旋門賞帰りと良績に乏しい冬競馬、2走前の天皇賞・春は競走中止のアクシデント、前走オールカマーは坂路改修工事の影響で普段とは異なる調整を強いられていた。翻って、今回は新坂路で順調に乗り込みを消化。馬番6番以内の成績は【5.2.0.1】馬券外は競走中止のレースに限定されており、前に残る1頭をチョイスするならこの馬一択だ。

・2枠4番 スタッドリー

3勝クラス以上の左回りは【0.0.0.3】。狙うなら右回りだろう。

・3枠5番 ドウデュース

国内では馬券内100%を誇っていたが、前走天皇賞・秋でまさかの惨敗。久々の実戦かつ、日本レコードが飛び出した展開を先行したことが裏目に出たようだ。パンサラッサ、タイトルホルダーがいる今回は消耗戦が予想されるが、2歳時はマイルを使われていた馬。キャリアを重ねて距離適性が書き換わった可能性は否定できず、ロスなく立ち回った際の3着が精いっぱいか。

・3枠6番 フォワードアゲン

重賞では【0.0.0.6】と厚い壁に跳ね返されている現状。厳しい。

・4枠7番 イレジン

過去10年のジャパンカップにおいて、外国馬の成績は【0.0.0.27】。持ち時計も乏しく、苦戦は免れられないか。

・4枠8番 パンサラッサ

早くも逃げ宣言が飛び出している馬だが、芝2200m以上では【0.0.0.3】掲示板内ゼロ。勝負圏内突入は至難の業と言えそうだ。

・5枠9番 ヴェラアズール

昨年のこのレース勝ち馬。当時のメンバーは近年の基準ではハイレベルとは言えなかったが、狭いところから抜け出した脚は際立っていた。直線の長い急坂コースは【4.0.1.0】。騎乗予定だったR.ムーアが乗れない点はマイナスだが、何らかの印は必要か。

・5枠10番 ダノンベルーガ

昨年からGIで善戦を続ける馬。戦ってきた相手はかなり強力で展開次第では……と言いたくなるところだが、距離延長ローテは【0.0.0.4】と不振傾向にある。札幌記念→天皇賞・秋の臨戦過程から前走がメイチ仕上げの可能性が高く、前進するためのハードルが高いか。

・6枠11番 トラストケンシン

フタ桁着順が続く現状。厳しい。

・6枠12番 チェスナットコート

地方競馬でも掲示板外が目立つ馬。厳しい。

・7枠13番 クリノメガミエース

中央場所での馬券内は新馬戦に限定。厳しい。

・7枠14番 ディープボンド

GIで4度の2着がある実力馬。その実績はここでも引けを取らないが、2度使われた左回りはいずれも馬券外に敗れていた。過去に連対実績がある右回りの有馬記念に向けた叩き台と捉えたい。

・7枠15番 ショウナンバシット

2度の関東遠征はいずれも馬券外。強調材料は乏しい。

・8枠16番 インプレス

2度使われたGIIはいずれもフタ桁着順。GIのメンバー相手では分が悪い。

・8枠17番 スターズオンアース

デビュー以降、いまだに馬券外がない安定株。オークスを制した舞台なら条件に不足はないが、一頓挫があって天皇賞・秋を回避した影響は気がかりだ。過去10年のジャパンカップにおいて、8枠の成績は【0.0.1.26】。1枠に入った2頭が超強力である点から、連対圏突入は容易ではない。

・8枠18番 ウインエアフォルク

3勝クラスですら馬券内がない現状。厳しい。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月23日 18:02公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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