4位発進の蝉川泰果が抱える“ジレンマ” 逆転賞金王かかる2人が好スタート

4位で発進した蝉川泰果。キャディとの会話も楽しく回れた理由のひとつ(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇カシオワールドオープン 初日(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7335yd(パー72)◇晴れ(観衆2726人)

賞金ランキング3位の蝉川泰果は、逆転賞金王の可能性について「まあ、低い」と答えた。割り切って自分のプレーに集中できたことが、初日の好スコアにつながったのか。1イーグル5バーディ、1ボギーの「66」をマークし、6アンダーの4位で発進した。

ランク1位の中島啓太とは約5190万円差。次週の最終戦「日本シリーズJTカップ」まで賞金王争いを持ち込むためには、今週単独3位以上がマストになる。

プレー中に確認したリーダーボードは、賞金王争いの動向よりも「4日間、どんなスコアになるんだろう」と初出場の大会への高揚感が上回った。「自分がどれだけできるか楽しみだった」とコースと向き合った18ホールは、久々に気分よく回れた。

「広いコースなので、気持ちよく振れる」と、出だしの10番(パー5)を皮切りに、4ホールあるパー5は全て獲った。前半で3つ伸ばすと、5番(パー5)は288ydから3Wで2オンに成功。10m以上を決めてイーグルを奪った。

スコアを伸ばした初日を「めちゃくちゃいい」と喜びつつ、今季の戦績を振り返ると気が抜けない。「いいスタートが切れることが少ない」と言う初日をトップ10で終えるのは、これが6度目。蝉川にとっての“鬼門”をクリアした形だが、「初日からうまく行った時ほど、2日目に伸ばしきれないこともすごくある」と手放しで喜べないのが難しいところ。「あしたはその辺を反省して、きょうと同じようなスコアを出せるように頑張りたい」と気を引き締めた。

金谷拓実も4位。賞金王の可能性を残すには中島啓太より上位がマスト(撮影/中野義昌)

約4033万円差でランク2位につける金谷拓実も、蝉川と並んで4位発進。逆転の可能性を残すには、まず今週中島よりも上位につけることが必須となる。「勝つだけ」と臨んだ今大会で、宣言通りの好発進。「あしたも良い準備をして頑張りたい」と意気込んだ。(高知県芸西村/谷口愛純)

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