価格は落ち着いたものの…「ハクサイ」に異変が

これからの季節にうれしい鍋料理には欠かせないハクサイに異変です。この1カ月で価格が大幅に下がっています。
いったい何が起きているのでしょうか。

鍋「グツグツグツ・・・」

暦の上ではすでに冬。

今年も”鍋料理”の季節が始まっています。

夏の猛暑の影響で一時は価格高騰となっていた野菜も、ここにきて落ち着いてきているようです。

静岡市内のスーパーでは鍋料理に欠かせない「ハクサイ」が1/4カットで税込み96円に。

1カ月前と比べて70円ほど安くなったと言います。

静岡市民 50代:
「これから必要なものになるのですごくありがたい。」

静岡市民 30代:
「手にとりやすくなってハクサイを買う頻度が冬は増えるんじゃないかなって思います」

スーパーは

価格が下がった理由は”産地”が変わったことにあります。

ヒバリヤ 営業本部 山岸達也部長:
「(価格が安くなった)一番の理由は産地が関東物になったというのが一番の要因。(西日本の産地は)暑さだとか台風だとか色々あると思うけど、物がなければ価格は上がってしまう。ここに来て関東物になって、しっかり育ったハクサイが出てきて、価格が落ち着いた」

冬にかけて需要が伸びる「ハクサイ」。

スーパーでも売り場面積を拡大して販売しています。

ヒバリヤ 営業本部 山岸達也部長:
「先週ぐらいから急に寒くなった。商売は何でもそうだが急に(寒さを)感じるようになった時が一番食べたくなる時だと思うので、先週末ぐらいから急激に寒くなったと同時に、急激にお鍋商材が売れている。(ハクサイの)売り場の方も拡大している」

スーパーや消費者にとって”うれしい悲鳴”となる一方、生産者側にとっては今、再びある”異変”が起きているといいます。
例年肌寒くなり始める11月になっても、今年は過ごしやすい気温が続き、ハクサイの成長が”いつもと違う”状況に。

三島市でも

こうした状況は、県内でも起きていました。

三ツ谷白菜出荷組合 宮沢茂さん:
「天候が良くて、成長がいつもより少し早いような気がしている。これ(葉っぱ)が立っている。例年ならこんなにまだ立っていない。それが今年はもう成長がこれだけ早く天候も良かったから。少し大きめのができると思っている」

箱根連山の西南に位置し、標高50m以上で栽培される「箱根西麓三島野菜」。

三島市の三ツ谷地区でおよそ50年前から生産されているのが「三ツ谷白菜」です。

「三ツ谷白菜」の特徴は「甘さ」。

生産者の宮沢さんによると寒暖差が激しくなると甘さが増して
おいしいハクサイができるといいます。

ところが、この「寒暖差」が思わぬ事態を招くことに・・・

三ツ谷白菜出荷組合 宮沢茂さん:
「他の産地と競合するので、価格が少し安いというか、(価格下落が)心配、ちょっと(出荷時期を)ずらして本当はやりたい」

今年は9月と10月の天気が良かったため成長が例年と比べると1週間から2週間ほど早くなっていると言います。

実際、宮沢さんが生産するハクサイは例年であれば12月15日前後に出荷となりますが、このペースで行くと他の産地と出荷時期が重なり、販売価格が下落してしまう可能性があると言います。

三ツ谷白菜出荷組合 宮沢茂さん:
「豊作貧乏だってよく言ってますけど、そうならなければいいと思っている」

21日も県内、朝は各地で冷え込んだものの、日中は静岡市で19.3℃、三島市で19.6℃など20℃目前の過ごしやすい気温になりました。

ハクサイにも影響する“寒暖差”。

今後もハクサイの値段の推移に目が離せそうにありません。

© 静岡朝日テレビ