静岡市清水区の社会福祉法人の口座から1,500万円を横領した疑いで、前理事長の男と俳優の夫が逮捕された事件で、前理事長の男は就任前から犯行を計画していた可能性があることがわかりました。
業務上横領の疑いで、逮捕・送検された静岡市清水区の社会福祉法人の前理事長で元警察官の男（43）と団体職員の男（52）は、2022年10月、法人の口座から現金1,500万円を2人が関係する別の企業の口座に移した疑いが持たれています。
法人が運営する特別養護老人ホームの施設長によりますと、使い道の分からない金は、7000万円を超えるということです。そのうちの約2,000万円は、施設の修繕などを目的に保管されていた資金。2022年10月、法人の口座から逮捕された2人が関係する会社の口座に移されていました。
残りの5,000万円は、介護事業者などへの融資をする会社から介護報酬を担保に借り入れた金です。
今回明らかになったのは、この5,000万円をめぐる不審な動きです。元警察官の男が理事長に就任したのは、2022年10月1日。2週間後の14日に、法人が管理しながらも使っていなかった口座の名義を元警察官の男の名前に変更。
その3日後の17日には、介護報酬を担保に借り入れた5,000万円がこの口座に振り込まれています。元警察官の男の理事長就任からわずか17日。就任前から犯行を計画していた可能性も浮上しました。
＜法人が運営する特別養護老人ホーム 施設長＞
「（法人が）お金を借りたのは知らなくて、25日に（従業員に）『給料が入っていないよ』と言われて、初めて知った。私たちの中でまだ何も理解もできていない中で、自己紹介とかもなく（施設の運営に）入ってきたので、私たちの中では『この人たちは何者?』みたいな」
逮捕された2人は、大学の先輩、後輩の関係。警察は先輩にあたる団体職員の男が事件を主導し、理事長だった元警察官の男の法人内の立場を悪用して、犯行に及んだとみて調べを進めています。
