優雅なにっぽん丸 別府や壱岐島へ 360人乗せ神戸港出航

クルーズに出航するにっぽん丸のデッキから紙テープを投げる乗客ら=神戸港

 国内有数の大型豪華客船「にっぽん丸」(全長166メートル、2万2472総トン)が23日、神戸市の神戸港から「秋の別府・壱岐島クルーズ」に出航した。乗客約360人が長崎県の壱岐島や大分県内の景勝地などを巡りながら、雄大な自然や文化、美食に囲まれる4日間の優雅な船旅を楽しむ。

 岡山県内各地や福山市から、バスなどで乗客が続々と神戸港に到着。夫婦で参加した女性(81)=岡山市南区=は「結婚60周年を祝おうと初めてのクルーズ旅行を企画した。新婚旅行先だった別府や、壱岐のきれいな海を夫婦でのんびり楽しみたい」と笑顔で乗船した。

 午後5時ごろ、巨大な濃紺の船が汽笛を響かせながらゆっくりと離岸。神戸大軽音楽部によるジャズ演奏が響く中、乗客はデッキから色とりどりのテープを投げ、見送りの人たちに手を振った。

 船は24日朝に大分県の別府港、25日朝に長崎県・壱岐島の郷ノ浦港に寄港する。乗客は江戸時代の風情を残す大分県杵築市の城下町や日本三大奇勝の一つ・耶馬溪(同県中津市)の紅葉、玄界灘の絶景などを巡るツアーに参加。“食のにっぽん丸”と称される船内では一流シェフが腕をふるう料理も堪能する。26日に玉野市の宇野港に戻る予定。

 山陽新聞社と両備ホールディングスが共同で企画するクルーズは2010年に始まり、新型コロナウイルス禍による中断を挟んで12回目。

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