【2023年シーズン日本人選手名場面 ➀】二刀流大谷の真骨頂「MLB史上最高の1日」

MLBを舞台に今季も多くの感動を与えてくれた日本人選手たち。今季に生まれた心に残る名シーンを振り返る。二刀流・大谷を象徴する史上初の快挙は「MLB史上最高の1日」として歴史に刻まれた。

日本時間7月28日、タイガースとのダブルヘッダー第1試合に先発投手として登板した大谷翔平。実は翌29日のブルージェイズ戦に登板予定だったが、連戦とトロントへの移動を考慮し、大谷自ら前倒しでの登板を直訴して急遽登板となった。

この日の大谷は、最速99.5マイル(約160.1キロ)の4シームを中心に、スイーパー、カッターを巧みに織り交ぜながら9回を111球で投げ切り、自身初の完投&完封で9勝目を挙げた。許した安打は5回裏に4番打者のケリー・カーペンターに浴びたセンター前ヒットのみで、奪った三振は8個と圧巻のピッチングだった。

そして、第1試合が終了してから45分後に始まった第2試合で伝説が生まれる。休むことなく「2番・DH」でスタメン出場した大谷は、2回表に迎えた第2打席でレフトスタンドに飛び込む37号2ランを放つ。続いて4回表に迎えた第3打席では、右中間へ飛びこむ2打席連続の38号ソロアーチを放った。

1日に「1試合で完封、もう1試合で本塁打」を記録したのは、もちろんメジャー史上初の快挙だ。しかもそれを2打席連続のホームランで達成するのだから、感服するほかない。あのベーブ・ルースでさえ、完封勝利のあとは野手でのスタメン出場にとどまり、本塁打は記録していない。二刀流・大谷を象徴するこの日の活躍を見て、敵将は「MLB史上最高の1日」と称えた。

この日の試合前には、トレード・デッドライン(8月2日)が迫り、大谷のトレードについて注目が集まっていたなか、エンゼルスが大谷のトレードを否定し、ポストシーズン進出を目指す意思を発表していた。勝負をかける決断を下したチームの期待に最高の形で応えた大谷。振り返ってみると、この日の大活躍はMVPを確定させる決定的な1日となった。

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